2017-01-01から1年間の記事一覧

2017年新作映画ベスト10

毎年同じようなこと書いていますが、あっという間に今年も終わってしまいます。見逃した映画が山ほどあるような気がしますが、恒例のベスト発表。2017年に見た新作映画縛り。一度渾身のベストを記事を作ったのですが、はてなのダメサーバーに弾かれたようで…

話数単位で選ぶ、2017年TVアニメ10選

毎年参加するのが恒例になってきた新米小僧さんの話数単位ベスト企画。今年も参加させていただきます。来年も面白いアニメに出会えますように。(画像を用意できなかったものはその他で代用)ルール ・2017年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメから選…

2017年 音楽ベスト

例によってあまり新譜を聴けていないし、国内バンドばかり聴いていて洋楽聴いていないのですが、来年はもっとアンテナ高くして探求しようと思います。ってな感じで順不同でベストです。 Fight It Out『Most Hated』 神奈川の極悪ハードコアFight it outの3rd…

黒沢清ベスト

鑑賞した作品のみ。映像作品縛り。好きな順。 叫 蛇の道 勝手にしやがれ‼黄金計画 蜘蛛の瞳 アカルイミライ CURE 勝手にしやがれ‼成金計画 よろこびの渦巻 降霊 ドッペルゲンガー トウキョウソナタ 勝手にしやがれ‼英雄計画 DOOR III 勝手にしやがれ‼強奪計…

心霊ビデオ傑作選No.001 『Not Found外伝 いま、霊に会いにゆきます』(2014)――フェイクドキュメンタリーの真偽性を活用した傑作

初回から変わり種を出すのも反則技かと思ったが、『コワすぎ』以降の心霊ビデオユーザーにはキャラ立ちやネタ化しやすい作品のほうが受け入れやすいのではないか、と従来の心霊ビデオのジャンルから逸脱した『Not Found外伝 いま、霊に会いにゆきます』につ…

今期は『Just Because!』でキマリ!

ズバリ今季は『Just Because!』を推していきたい。ハイブリッドアニメ『宝石の国』や、力強いショットが魅力の『ボールルームへようこそ』など、飛びつきやすく批評されやすそうなアニメも大好きだけど、『Just Because!』のような派手さはないが、丁寧に積…

トラヴィス・ナイト『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』覚書

血肉を失った骸骨はダンスするように軽やかに動いて見せることができるはずだ。それが物語に縛り付けられた骸骨なのだろうか。骸骨がダンスして見せない。「口承」という嘘か誠かわからない物語でさえ、継承されていく芸術がこんなに鈍重な骸骨を出していい…

冨永昌敬『南瓜とマヨネーズ』覚書

泣き崩れる臼田がつかむ真っ赤なタオルを目撃した瞬間「はて?私はこの映画で“赤”を目撃したのだろうか?」と、思わずハッと走馬燈のようにそれまでの画面を思い浮かべようとする。(わずか数分前にオダギリが赤い半透明のビンからのど飴を目撃しているとい…

デヴィッド・ロウリー『A Ghost Story』(2017)覚書

およそ90分の時間がここまでも愛おしく充実したものになるだろうか。面白い映画に出会うとそんなことを思う。デヴィッド・ロウリーの新作『A Ghost Story』はこれまで見た『セインツ―約束の果て―』(2013)や『ピートと秘密の友達』(2016)をはるかに飛び越…

新千歳空港国際アニメーション映画祭2017

ユーリーノルシュテインの研究をされている土居伸彰さんがディレクターを務める新千歳空港国際アニメーション映画祭2017(11/2〜11/5)に遊びにいってきた。1日目は仕事だったので2日目から参加。以下に見たプログラムと大まかな感想。(見た順番通り) イン…

映画オールタイムベストテン!!

毎年ハロウィン恒例のワッシュさんのベストテン企画に参加。自分のオールタイムベストについては何回かブログでもTwitterでも書いていたりするのでさほど悩まず。結果は以下。 2017-10-31 幽霊と未亡人(ジョセフ・L・マンキーウィッツ、1947) 天使のはらわ…

清原惟『わたしたちの家』(2017)感想

PFFアワードグランプリを受賞した『わたしたちの家』。PFFアワードで記憶に新しいのは昨年準グランプリを受賞した『花に嵐』(岩切一空)。さえない「僕」(監督である岩切自身が演じている)が、大学の映画サークルに入り借用したいわくつきのビデオカメラ…

Fareast Death Cult 2017 IN 名村造船所跡地 STUDIO PARTITA レポ

昨年ぶりにFeDCに遊びにいってきました。今年のFeDCはこの日がラストということで物凄いメンツでしかもオールナイトイベント!の力の入れよう。ちなみにオールナイトってのは前々日くらいに知ったのでホテル代浮いた!ラッキーみたいな(笑)しかしながら、…

リズミカルなダンス映画――フレデリック・ワイズマン『ボクシング・ジム』(2010)

ドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマンが2010年に発表した『ボクシング・ジム』は、ボクシング映画といっても試合風景を撮影したものではない。ワイズマンが捉えるのはテキサス州のオースティンにあるボクシングジムで日常的に行われる練習風…

音がぶつかり共鳴するーーZAY『CRY FOR THE MOON』(2017)

昨年の夏頃だったろうか、そのときGREENMACHiNのツアー真っ最中のとき、三重県VOLTEX来ると知った僕は会場に駆けつけて当日もサイコーな気分でライヴを見ていた。見るまではなんでグリマシがトリではないのだろうか?とか考えていたのだけど、トリで出演した…

黒を浄化していく光――heaven in her arms『白暈』(2017)

7年ぶりとなる3rdアルバムをリリースしたheaven in her arms。今年は『黒斑の侵蝕』から10年ということで海外からアナログ盤が再リリースされるなど何かと話題が多い。『黒斑の侵蝕』からのポピュラーなファンだけど、『白暈』そう簡単に売り切れるわけはな…

あの時のこと、あの子のこと、俺が見つけた大切なもの――『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』感想

「すべては夢なのよ。すべての知的生命体は夢を見なければ進化することはできないの。夢を見るには何が必要かわかる?夢を見るには記憶が必要なの。私たちイマージュはそれを持ち合わせていない。この世界、すべての生命が持つ遺伝子情報、すべての生命が歩…

共振する身体――『ベイビー・ドライバー』感想

ひょんなことから犯罪世界に身を投じてしまったベイビーは、最後の(借金返済の)仕事を終え*1、ファミレスで働くデボラをデートへ誘う。しかし、裏の掟(お約束)はそう簡単にベイビーを手放そうとしない。犯罪組織とベイビーの反発、犯罪組織と警察の反発…

勝手にしやがれ!!侵略計画…にならない――黒沢清『散歩する侵略者』感想

黒沢清『散歩する侵略者』を見た。金魚を映したファーストショット、歩いている女子高生(恒松祐里)の脚のショット、あっけらかんとしたご近所風景を引きで見せる。彼女が家に入っていく。もがきながらも家に引きずりこまれる女。ドアがバタンとしまる。家…

「山村浩二 右目と左目でみる夢」を見てきた

恐らく名古屋での上映はないだろうと高をくくっていたが、シネマスコーレで公開されたので見てきた。インディペンデント・アニメーションは、映像と音響の関係性についてよくよく考えられて作られているので、なるべき大きなスクリーンと音響施設で体験した…

この暑い夏に見た映画

簡単に記入できてしまうということから、フィルマークスの利便性に甘えてしまい、なかなか映画の感想を書けていないので、たまにはブログにでもアップと思い、面白かった/面白くなかったは別として印象に残っているものを挙げてみる。 『西部の人』アンソニ…

ブリランテ・メンドーサ『ローサは密告された』感想

デジタルビデオカメラの発明によって映像メディアは格段に便利になり、高価なフィルムを使用しなくても済むことでローコスト、現像といった工程をなくすこと*1によって時間を圧縮してしまった。もちろん今でもフィルム派*2は存在するが、フィルムとは違った…

武内宣之『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』感想

「あの時、あーしていればよかった」と思うことが、これまでの人生で何度かあった。そのたびに、そっちに進んだとして成功したかどうかなどわからないんだと自分に言い聞かせるように考えるのをやめてきたのだけど。岩井俊二の『打ち上げ花火、下から見るか…

夏休み映画 vol.3――山内重保『も〜っと!おジャ魔女どれみ カエル石のひみつ』(2001)

小学生の夏休みといえば、田舎に住む祖父/祖母の家に遊びに行って毎日グーたら過ごすというのが一般的にも多いのではないだろうか。『も〜っと!おジャ魔女どれみ カエル石のひみつ』も、どれみの祖父の家にいつものメンバーを連れて帰省した2日間を描いて…

Vimeoでジョルジュ・シュヴィツゲベルの『魔王』(2015)を見た(感想)

昨年、愛知県トリエンナーレ2016にてシュヴィツゲベル『魔王』(2015)がかかっていたのだが、会場が豊橋でもあったことでなかなか足が遠のいていた。そして、いくぞと構えたときにはすでにトリエンナーレは終了していた…。そんな絶望の淵から、Vimeoで購入…

転落するヒーロー――『スパイダーマン:ホームカミング』感想

ジョン・ワッツ『スパイダーマン:ホームカミング』を見た。奪われた車を追って広大な土地を懸命に駆け抜けるケヴィン・ベーコン。その奪われた車を運転するのはまだ幼い子供2人組だ。ジョン・ワッツの前作『コップ・カー』はひたすら追っかけっこ。横へ横へ…

誰かが誰かを照らしていく物語――『魔法少女リリカルなのは Reflection』感想

是か非かわからなくても真っ直ぐの想いというものは感動させられる。惑星エルトリアに住むキリエは、故郷の星と父親を救うため、人工知能*1イリスとともに地球へやってくる。はやての持つ闇の書を奪うことを計画するが、人様に迷惑をかけてはならないと追い…

愛おしい映画って――『彼方からの手紙』『無言日記』『心霊玉手匣』

日本映画専門チャンネルで放送されていた『密使と番人』。三宅唱だからってかなり期待したのだが、肌に合わなかった。ロケハンや撮影技術(照明,カットバック…)、音響(録音)、ショットの精度含めレヴェルの高さを伺えるが、どうも馬が合わない。ジャンル…

米林宏昌『メアリと魔女の花』感想

昨年『君の名は。』(2016)が大ヒットしたのは、男女の出会いがドラマチックに演出された物語に多くの人が惹かれただろうか。それまでの新海誠を考えてみると、職人監督的なきらいがあり、普遍的な恋愛映画という物語面よりも背景美術に定評があり、『君の名…

ちょっと頭おかしいけど抜群にかっこいい――『ズーム・イン暴行団地』(黒沢直輔,1980)感想

黒沢直輔『絶頂姉妹 堕ちる』(1982)がオールタイムベスト級によかったので、次いで見た『ズーム・イン暴行団地』(1980)だったのだけど、これがあまりにも気が狂った映画でびびる。夫が長期外出しているなかで、ピアノの調律使との不倫が始まるが、巷では連続…