『アニクリvol.8.0 終わりを「旅」する少女』への寄稿について
久々の告知です。アニクリ06ぶりになりますが、5月6日(日)の文学フリマで発売されるアニメーション批評誌アニクリ『アニクリvol.8.0 終わりを「旅」する少女』号にアニメ『少女終末旅行』に関する論考を寄稿いたしました。
『崩壊する都市、懐かしい風景、終末を旅する少女』というタイトルです。内容はnagさんが綺麗にまとめてくれているのでそちらを抜粋。
概要:全てが崩壊した場所からみれば、過去はいつも新しく、未来は常に懐かしい。筆者が回顧する寂れた商店街の風景は、「本当にこれは私の記憶だったのだろうか」という問いに晒される。記憶は常に、実際には体験していない記憶が呼び覚まされたものかもしれない。他の誰かの記憶かもしれない。しかし、そうであっても構わない。なぜなら、それはまさに他者の記憶を垣間見、自らの予兆を形作り、時に心躍らせるものだからだ。記憶を記録することとはこうして、他者の記憶を自らに浸透させる過程となる。水が歌い、光は踊り、ネジがジャンプし、鉄の塊はその身を震わせる。一粒の水滴が水たまりに弾けて音楽を奏でる。夕日の光線はラジオの音と同期して彼女たちのリズム(周波数)を震わせる。「この旅路が私たちの家ってことだね」の言の通り、一瞬は永遠となり、旅は終わるまでは終わらず続くのだ。
記憶/記録のモチーフ、風景、音響といったことから『少女終末旅行』がどのような作品であったのか? とったことを読み解いたものになります。そのため、作品に新しい価値観を与えるような文章ではありません。作品のことを書いた文章になっています。1万字程度です。
コミックzinあたりでも通販されると思いますが、時間がある方は文フリまでお越しいただければと思います。私は当日いけませんが。また次号は今話題の『リズと青い鳥』や山田尚子にスポットに当てた号になるらしく、興味のあるかたはアニクリをのぞいて見るといいと思います。
ではよろしくお願いいたします。