2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

酒はどこへ行った ‐ ホン・サンス『あなた自身とあなたのこと』感想

ベルトラン・ボネロの新作が東京国際映画祭(以下、TIFF)にて土日に掛からないことを恨みながら、ホン・サンスの新作『あなた自身とあなたのこと』を見てきた。ホン・サンスは『次の朝は他人』や『カンウォンドの恋』あたりの少し切ない感じの作品が好きだ。…

ヤりたいからヤるんでしょ? - 岩切一空『花に嵐』感想

PFFアワード2016・コンペ部門の準グランプリ作品(PFFアワード2016『花に嵐』|第38回PFF)。ツイッタ−でフォロワーさんが絶賛していたので青山シアターにて鑑賞(公開は10月23日まででした)。大学に入学した主人公が映画研究部に入り、部室の置いてあるカ…

アイドル成分100パーセント! ‐ 山下敦弘『超能力研究部の3人』感想

当時タイミングが合わず見れなかった山下敦弘『超能力研究部の3人』(2014)がHuluに入っていたので、2週間無料トライアルを有効活用して見た。短めの感想というか覚書 「ぜんぶウソ。っていう、ホント。」 映画はフィクションであれドキュメンタリーであれ…

肖像画に残される想い−黒沢清『ダゲレオタイプの女』感想

『クリーピー』に続き今年2本目の黒沢清『ダゲレオタイプの女』を見た。まずは結論からいうととてもよかったと思う。素直に面白かった。『リアル』以降の黒沢清の長編映画って『クリーピー』もそうなんだけど、どこかぎこちなさっというか違和感があっていい…

2話との差異 〜ハーモニーについて〜 『ViVid Strike!』#3「挑戦」感想

今季全アニメ見ているわけではないですが、自分の心をつかんで離さない私的今季ナンバーワンアニメこと『ビビスト』の3話感想。これまで喧嘩番長(フーカ)が格闘技界に殴り込みにきた1話。そしてナカジマジムの普段の日常を描いた2話。1話→2話に進むうえで…

夏に見た新作映画

夏からの備忘録ですが、感想書いていなかったのを抽出してみました。殆どFilmarksには上げていますが多少アップデートしています。今週末からは『ダゲレオタイプの女』が始まりますね。これまた楽しみだ。 『ライト/オフ』デビッド・F・サンドバーグ 「もし…

3年後の『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』と『君の名は。』

気がつけば早いもので『まどマギ叛逆の物語』から3年*1近く経っている。2013年は宮崎駿の『風立ちぬ』や高畑勲の『かぐや姫の物語』とジブリの重要作品が公開された。他にも今や話題の新海誠『言の葉の庭』も公開された年であり、単に売上だけで見た話であれ…

フーカと光の風景−『ViVid Strike!』#02「ナカジマジム」感想

第1話が奇跡的な仕上がりになっていた『ViVid Strike!』。第2話はフーカがナカジマジムで働くことになり、その風景をフーカのナレーションで見ていく。そのため、派手なシーンは殆どなく、1話で多用されたハーモニー処理も影を潜め、職業的な運動シーンを取…

この瞬間を閉じ込めてしまいたい『響け!ユーフォニアム2』第一回「まなつのファンファーレ」覚書

競合ぞろいの秋アニメの中でも待ち望まれていただろう『響け!ユーフォニアム2』。1話から1期との違いを明確に示してきた1話だった。久美子の中学時代の回想が印象的な1期。彼女が意識せずに漏らしてしまった言葉によって麗奈との物語がスタートした。意識の…

美少女アニメで『あしたのジョー』をやるということ ‐ 『ViVid Strike!』 #01 「フーカ・レヴェントン」感想

「また新クールだ〜」と未見の夏アニメを横目に『ViVid Strike!』1話を見たところびっくりして腰が抜けるかと思った。ヴィヴィオとアインハルトがメインだった前作『魔法少女なのは ViVid』は美少女アニメっぽさの塊みたいな作品で、かわいい女の子を観察し…