2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

私たちの記憶に結びつく「懐かしい」映画 『花とアリス殺人事件』

岩井俊二はあまり得意としていなかったけど、『花とアリス』は例外的に好きだったので、『殺人事件』と聞いたときの不安と期待が混じり合う感じは近年でも稀だった。そして、いざ鑑賞。一言で言えばとても「愛おしい」映画だったなと感じる。それで、その「…

夢と現実の対比 /『SHIROBAKO』 第19話「釣れますか?」感想

『SHIROBAKO』18話もすごかったけど、19話はこれまでのベストだったと思う。特に『SHIROBAKO』の一つのテーマである「夢と現実」について、非常に上手い対比をやってのけた。今回は、19話で語られた「夢と現実」について書いてみたいと思う。今回、後半の『…

映画が見たけりゃバットで殴れ!『味園ユニバース』

小さい頃からバンドに憧れていたにもかかわらず、受け手の気持ち良さを知ってしまい、いつだったか僕は、「生涯オーディエンス宣言‼︎」を掲げ、気づいたらLIVEハウスを駆け回る生活をしていた。バンドのマーチを大量に買い込み、終電まで走る。そんな中、駆…

『四月は君の嘘』–第17話「トワイライト」の演出について

今回は凪回といったところで、公生と対になるシーンが目立った。 まず、冒頭では公生がかをりのことで悩んでしまっているときに凪が彼を励ますシーン。(凪→公生への流れ)凪は公生を笑わせることに成功する。(ブランコに乗る:一緒の目線)ただ、この後の…

総集編はもういやだ Part2/『SHIROBAKO』 第18話「俺をはめやがったな!」感想

『SHIROBAKO』第18話すごく面白かった。『SHIROBAKO』は、人から人へという流れの演出が多く、1クールと2クールの結びつきが感じやすい作品で、今回は1クールの第3話「総集編はもういやだ」を想起させる内容だった。3話と18話どちらにも共通されることが「制…

ある日、僕はゴダールにウインクした 『さらば、愛の言葉よ』

なんだか今年はスマッシュヒットするような新作に出会えていない。「去年は『毒戦』があったなー」とか、危ない思考に陥りつつ、去年掲げた「来年はアニメたくさんみるぞー」と決めた目標にまっしぐらで、このブログもアニメのことばかり。そんなタイミング…

『SHIROBAKO』で見るインプットとアウトプットの関係/17話「私どこにいるんでしょうか・・・」

1クールは、5人が夢の現場が現実になったとき、どんな風に受け止め、どんな行動をとるのか?というのがとても面白かった。対して、2クール(12話からかなり顕著だが)は、彼女らがこの1年過ごしてみて、学んだことを「伝えて行く」ということがテーマ。今回…

急がば回れとはよく言ったもので 『ユリ熊嵐』第5話「あなたをヒトリジメにしたい」

誰しも先走って行動に出てしまって失敗してしまった〜という経験をしたことがあるんではないだろうか。『ユリ熊』5話は、銀子の紅羽への思い(欲望)が、前へ前へ先走り「ほら!見たことか!」と言ったような展開を見せてきた。まず、1話〜3話の銀子とるるの…

映画においての「水」の演出について / ダンテ・ラム 『激戦 ハート・オブ・ファイト』を見た。

滝の下には水がたまり人々が水をくむように、川の下流には海が広がり、そこに漁港や市場が栄え、流通の場所となり、大きな街が形成されて行く。「水」がたまる場所や広がる場所は、「生き物」が水源を求めるように、人が入り交じり豊かな経済が生まれる。ダ…