映画
リズと青い鳥 それから パディントン2 霊的ボリシュヴィキ 苦い銭 デトロイト フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 サバービコン 仮面を被った街 恋は雨上がりのように トレイン・ミッション 恒例の上半期ベスト。『リズと青い鳥』がよかったのはどちらがリズ…
最近といえば転勤があり引っ越しが忙しく前回のエントリーで書いたようにアニクリさんに寄稿した文章以外ほとんど手付かずだった。映画自体あまり見れていないのですが、少しでも見た映画について短文で。 高橋洋『旧支配者のキャロル』 これは映画学校の卒…
先に断っておくが「後にも先にも忘れ去られそうな映画」とは別にこれから対象にする映画についての悪口で書いているわけではない。では何なのか? といったことは置いておいて先に後世に残りそうな映画とは何なのか? 例えば名作といわれる映画。ジョン・フ…
重要機密書類はいとも簡単に持ち運ばれてしまう。それは密会する部屋にて複製され「最高機密文章」の文字は切り取られ新聞社へ運ばれる。今の時代というか、私自身がここまで仕事に精を出したことがないのでまったくもって新聞社のゴリゴリな風土は理解しが…
芦川いづみのアイドル力が半端ない。自分が芦川いづみファンだからそう見えるのかもしれないが…。しかし芦川いづみのかわいさはいつの映画を見てもまったく古びない。例えば古い映画でかわいい女優さんを見たときにちょっと化粧が古臭いとか、眉毛が細い、太…
現代版『修羅雪姫』といったところだろうか。『パズル』などで定評のある暴力描写と雪原風景、端正なショットや編集力といいなかなか見所ある作品だったのだが、一方で原作つき映画というのは難しいものだと思うようなところも多々あったのも事実。前半はと…
久々に怖い顔を見た。多分、昨年心霊ビデオで見た(タイトルを失念した)幽霊の顔がめちゃくちゃ怖くてトラウマ級だったのだけど、『霊的ボリシェヴィキ』に出てくる俳優さんは基本的に顔が怖い。例えば主演の韓英恵にあてられる照明のせいでまるで吸血鬼の…
イーストウッドの進撃が止まらない。80歳を越えても尚、新作を連発するイーストウッドの存在は、毎年新作を見る楽しみになっており、それは嬉しいことなのだが、何やら奇妙な映画を作っている。近年『アメリカン・スナイパー』(2014)、『ハドソン川の奇跡…
『シェイプ・オブ・ウォーター』は声が出せない女性が主人公であり、彼女はとても狭い世界で生きているものとして描かれる。政府の研究施設の掃除係として働き、孤児であり家族も恋人もおらず、風呂場でマスターベーションをして、隣人である画家の世話をし…
最近ディズニー長編アニメーション『白雪姫』(1937)、『ダンボ』(1941)、『バンビ』(1942)を立て続けに見た。恐らく見るのは幼稚園か、小学校の低学年以来のように思える。おおよそ、二十数年ぶり。どれも間違いなく面白い上に、アニメーションとして…
66分のランタイムがちょうどいい。ちょうどいいというのは、母親を自らの手で殺してしまった子どもが、愛するもの/愛されるものを見つける、また見つけられるといった題材を扱うに重すぎず、軽すぎずバランスがとれているからである。またクレイを使用した…
「男と逃げるんじゃないよ」ある一室でのやりとり。どうやらここにいる子どもたちが家族の為に出稼ぎにいくらしい。雲南省からバスや電車を乗り継いていき、丸一日かけて個人経営の縫製工場が立ち並ぶ湖州に降り立つ。そこでは、出稼ぎに行った先でお前はと…
記念すべきファーストショット思わず、「眩しい!」と言いたくなるような太陽光が顔に反射するショット。気がつけばその老いた俳優(ジャン=ピエール・レオ)もまた眩しそうな顔をしている。ボソボソと独り言を話していると思いながら、映画を見ているとそ…
予見させるオープニングシークエンス。広々とした一直線の公道に走る車。そして、ロングショットでは顔がわからないひとりの人物。急に飛び出した人物に急ハンドルを切る車。切り返して車がぶつかるショット。そして、さらに切り返して元のショットに戻す。…
「娘はレイプされて焼き殺された」 「未だに犯人が捕まらない」 「どうして、ウィロビー署長?」 田舎町に突如出現した真っ赤な3枚の看板。被害者の母親、署長、警察官、3人の主要人物。そして、託された3通の手紙。3つの事柄が互いに絡み合い、さらにその3…
1960年代デトロイトで起きた暴動。その最中で起きた事件を当時の証言をもとに映像化した作品。2時間を超える長尺な映画だったが、これが思いのほか面白かった。モーテルでの警察による胸糞な強制尋問のシーンも素晴らしいが、それよりも、冒頭から夜の撮影に…
年末年始に熱を出して三が日は寝込み、仕事が始まれば四方八方からの依頼に追われて年末に書いていた記事を今更ながら公開。ツイッターには書いていたけど、裏ならぬ旧作ベストです。順不同『座頭市喧嘩太鼓』三隅研次(1968) 『god sobaki』セミョーン・ア…
毎年同じようなこと書いていますが、あっという間に今年も終わってしまいます。見逃した映画が山ほどあるような気がしますが、恒例のベスト発表。2017年に見た新作映画縛り。一度渾身のベストを記事を作ったのですが、はてなのダメサーバーに弾かれたようで…
鑑賞した作品のみ。映像作品縛り。好きな順。 叫 蛇の道 勝手にしやがれ‼黄金計画 蜘蛛の瞳 アカルイミライ CURE 勝手にしやがれ‼成金計画 よろこびの渦巻 降霊 ドッペルゲンガー トウキョウソナタ 勝手にしやがれ‼英雄計画 DOOR III 勝手にしやがれ‼強奪計…
血肉を失った骸骨はダンスするように軽やかに動いて見せることができるはずだ。それが物語に縛り付けられた骸骨なのだろうか。骸骨がダンスして見せない。「口承」という嘘か誠かわからない物語でさえ、継承されていく芸術がこんなに鈍重な骸骨を出していい…
泣き崩れる臼田がつかむ真っ赤なタオルを目撃した瞬間「はて?私はこの映画で“赤”を目撃したのだろうか?」と、思わずハッと走馬燈のようにそれまでの画面を思い浮かべようとする。(わずか数分前にオダギリが赤い半透明のビンからのど飴を目撃しているとい…
およそ90分の時間がここまでも愛おしく充実したものになるだろうか。面白い映画に出会うとそんなことを思う。デヴィッド・ロウリーの新作『A Ghost Story』はこれまで見た『セインツ―約束の果て―』(2013)や『ピートと秘密の友達』(2016)をはるかに飛び越…
ユーリーノルシュテインの研究をされている土居伸彰さんがディレクターを務める新千歳空港国際アニメーション映画祭2017(11/2〜11/5)に遊びにいってきた。1日目は仕事だったので2日目から参加。以下に見たプログラムと大まかな感想。(見た順番通り) イン…
毎年ハロウィン恒例のワッシュさんのベストテン企画に参加。自分のオールタイムベストについては何回かブログでもTwitterでも書いていたりするのでさほど悩まず。結果は以下。 2017-10-31 幽霊と未亡人(ジョセフ・L・マンキーウィッツ、1947) 天使のはらわ…
PFFアワードグランプリを受賞した『わたしたちの家』。PFFアワードで記憶に新しいのは昨年準グランプリを受賞した『花に嵐』(岩切一空)。さえない「僕」(監督である岩切自身が演じている)が、大学の映画サークルに入り借用したいわくつきのビデオカメラ…
ドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマンが2010年に発表した『ボクシング・ジム』は、ボクシング映画といっても試合風景を撮影したものではない。ワイズマンが捉えるのはテキサス州のオースティンにあるボクシングジムで日常的に行われる練習風…
「すべては夢なのよ。すべての知的生命体は夢を見なければ進化することはできないの。夢を見るには何が必要かわかる?夢を見るには記憶が必要なの。私たちイマージュはそれを持ち合わせていない。この世界、すべての生命が持つ遺伝子情報、すべての生命が歩…
ひょんなことから犯罪世界に身を投じてしまったベイビーは、最後の(借金返済の)仕事を終え*1、ファミレスで働くデボラをデートへ誘う。しかし、裏の掟(お約束)はそう簡単にベイビーを手放そうとしない。犯罪組織とベイビーの反発、犯罪組織と警察の反発…
黒沢清『散歩する侵略者』を見た。金魚を映したファーストショット、歩いている女子高生(恒松祐里)の脚のショット、あっけらかんとしたご近所風景を引きで見せる。彼女が家に入っていく。もがきながらも家に引きずりこまれる女。ドアがバタンとしまる。家…
恐らく名古屋での上映はないだろうと高をくくっていたが、シネマスコーレで公開されたので見てきた。インディペンデント・アニメーションは、映像と音響の関係性についてよくよく考えられて作られているので、なるべき大きなスクリーンと音響施設で体験した…