2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

米林宏昌『メアリと魔女の花』感想

昨年『君の名は。』(2016)が大ヒットしたのは、男女の出会いがドラマチックに演出された物語に多くの人が惹かれただろうか。それまでの新海誠を考えてみると、職人監督的なきらいがあり、普遍的な恋愛映画という物語面よりも背景美術に定評があり、『君の名…

ちょっと頭おかしいけど抜群にかっこいい――『ズーム・イン暴行団地』(黒沢直輔,1980)感想

黒沢直輔『絶頂姉妹 堕ちる』(1982)がオールタイムベスト級によかったので、次いで見た『ズーム・イン暴行団地』(1980)だったのだけど、これがあまりにも気が狂った映画でびびる。夫が長期外出しているなかで、ピアノの調律使との不倫が始まるが、巷では連続…

富田克也『国道20号線』(2011)感想

曇天模様の空を見上げながら肌にベタっと張りつく湿気に思わずしかめ面をする。「名古屋の夏がやってきた」と、先日からクーラーをつけ始め、人類はなんだかんだすごいのだなと感心していたが、その文明をもってしても景気は一向によくならないし、世界がい…