ブログ移転のお知らせ

7年使用していたはてなダイアリーですが、色々と不備があったりして今更移行でもするかと思い、はてなブログへ移行します。ダイアリーとブログではブログデザインも違うのでわざわざ向こうへすべての記事は移動しませんが、ここはこのまま残しておきますので…

2018年上半期新作映画ベスト

リズと青い鳥 それから パディントン2 霊的ボリシュヴィキ 苦い銭 デトロイト フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 サバービコン 仮面を被った街 恋は雨上がりのように トレイン・ミッション 恒例の上半期ベスト。『リズと青い鳥』がよかったのはどちらがリズ…

最近見た映画まとめ

最近といえば転勤があり引っ越しが忙しく前回のエントリーで書いたようにアニクリさんに寄稿した文章以外ほとんど手付かずだった。映画自体あまり見れていないのですが、少しでも見た映画について短文で。 高橋洋『旧支配者のキャロル』 これは映画学校の卒…

『アニクリvol.8.0 終わりを「旅」する少女』への寄稿について

久々の告知です。アニクリ06ぶりになりますが、5月6日(日)の文学フリマで発売されるアニメーション批評誌アニクリ『アニクリvol.8.0 終わりを「旅」する少女』号にアニメ『少女終末旅行』に関する論考を寄稿いたしました。 寄稿募集「アニクリvol.8.0 終わ…

後にも先にも忘れ去られそうな映画とは――『名探偵コナン ゼロの執行人』と『パシフィック・リム アップライジング』

先に断っておくが「後にも先にも忘れ去られそうな映画」とは別にこれから対象にする映画についての悪口で書いているわけではない。では何なのか? といったことは置いておいて先に後世に残りそうな映画とは何なのか? 例えば名作といわれる映画。ジョン・フ…

スティーヴン・スピルバーグ『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文章』(2017)

重要機密書類はいとも簡単に持ち運ばれてしまう。それは密会する部屋にて複製され「最高機密文章」の文字は切り取られ新聞社へ運ばれる。今の時代というか、私自身がここまで仕事に精を出したことがないのでまったくもって新聞社のゴリゴリな風土は理解しが…

松尾昭典『ゆがんだ月』(1959)

芦川いづみのアイドル力が半端ない。自分が芦川いづみファンだからそう見えるのかもしれないが…。しかし芦川いづみのかわいさはいつの映画を見てもまったく古びない。例えば古い映画でかわいい女優さんを見たときにちょっと化粧が古臭いとか、眉毛が細い、太…

内藤瑛亮『ミスミソウ』(2018)

現代版『修羅雪姫』といったところだろうか。『パズル』などで定評のある暴力描写と雪原風景、端正なショットや編集力といいなかなか見所ある作品だったのだが、一方で原作つき映画というのは難しいものだと思うようなところも多々あったのも事実。前半はと…

高橋洋『霊的ボリシェヴィキ』(2018)

久々に怖い顔を見た。多分、昨年心霊ビデオで見た(タイトルを失念した)幽霊の顔がめちゃくちゃ怖くてトラウマ級だったのだけど、『霊的ボリシェヴィキ』に出てくる俳優さんは基本的に顔が怖い。例えば主演の韓英恵にあてられる照明のせいでまるで吸血鬼の…

映像に映る生霊(≒私)を見たとき――クリント・イーストウッド『15時17分、パリ行き』(2017)

イーストウッドの進撃が止まらない。80歳を越えても尚、新作を連発するイーストウッドの存在は、毎年新作を見る楽しみになっており、それは嬉しいことなのだが、何やら奇妙な映画を作っている。近年『アメリカン・スナイパー』(2014)、『ハドソン川の奇跡…

ギレルモ・デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)

『シェイプ・オブ・ウォーター』は声が出せない女性が主人公であり、彼女はとても狭い世界で生きているものとして描かれる。政府の研究施設の掃除係として働き、孤児であり家族も恋人もおらず、風呂場でマスターベーションをして、隣人である画家の世話をし…

ディズニー長編アニメーション――『白雪姫』(1937)、『ダンボ』(1941)、『バンビ』(1942)

最近ディズニー長編アニメーション『白雪姫』(1937)、『ダンボ』(1941)、『バンビ』(1942)を立て続けに見た。恐らく見るのは幼稚園か、小学校の低学年以来のように思える。おおよそ、二十数年ぶり。どれも間違いなく面白い上に、アニメーションとして…

クロード・バラ『ぼくの名前はズッキーニ』(2016)

66分のランタイムがちょうどいい。ちょうどいいというのは、母親を自らの手で殺してしまった子どもが、愛するもの/愛されるものを見つける、また見つけられるといった題材を扱うに重すぎず、軽すぎずバランスがとれているからである。またクレイを使用した…

王兵『苦い銭』(2016)

「男と逃げるんじゃないよ」ある一室でのやりとり。どうやらここにいる子どもたちが家族の為に出稼ぎにいくらしい。雲南省からバスや電車を乗り継いていき、丸一日かけて個人経営の縫製工場が立ち並ぶ湖州に降り立つ。そこでは、出稼ぎに行った先でお前はと…

諏訪敦彦『ライオンは今夜死ぬ』

記念すべきファーストショット思わず、「眩しい!」と言いたくなるような太陽光が顔に反射するショット。気がつけばその老いた俳優(ジャン=ピエール・レオ)もまた眩しそうな顔をしている。ボソボソと独り言を話していると思いながら、映画を見ているとそ…

ジュリア・デュクルノー『RAW〜少女のめざめ〜』

予見させるオープニングシークエンス。広々とした一直線の公道に走る車。そして、ロングショットでは顔がわからないひとりの人物。急に飛び出した人物に急ハンドルを切る車。切り返して車がぶつかるショット。そして、さらに切り返して元のショットに戻す。…

マーティン・マクドナー『スリー・ビルボード』

「娘はレイプされて焼き殺された」 「未だに犯人が捕まらない」 「どうして、ウィロビー署長?」 田舎町に突如出現した真っ赤な3枚の看板。被害者の母親、署長、警察官、3人の主要人物。そして、託された3通の手紙。3つの事柄が互いに絡み合い、さらにその3…

キャスリン・ビグロー『デトロイト』

1960年代デトロイトで起きた暴動。その最中で起きた事件を当時の証言をもとに映像化した作品。2時間を超える長尺な映画だったが、これが思いのほか面白かった。モーテルでの警察による胸糞な強制尋問のシーンも素晴らしいが、それよりも、冒頭から夜の撮影に…

湯浅政明『DEVILMAN crybaby』感想

昨年から期待を寄せていた『DEVILMAN crybaby』面白かった。新千歳空港国際アニメーション映画祭のときに湯浅監督他がめちゃくちゃエログロと言っていたので覚悟して見たが、そこまでエロくもグロくもなかった印象を持った。というのも、『マインドゲーム』…

2017年映画 裏ベスト10

年末年始に熱を出して三が日は寝込み、仕事が始まれば四方八方からの依頼に追われて年末に書いていた記事を今更ながら公開。ツイッターには書いていたけど、裏ならぬ旧作ベストです。順不同『座頭市喧嘩太鼓』三隅研次(1968) 『god sobaki』セミョーン・ア…

2017年新作映画ベスト10

毎年同じようなこと書いていますが、あっという間に今年も終わってしまいます。見逃した映画が山ほどあるような気がしますが、恒例のベスト発表。2017年に見た新作映画縛り。一度渾身のベストを記事を作ったのですが、はてなのダメサーバーに弾かれたようで…

話数単位で選ぶ、2017年TVアニメ10選

毎年参加するのが恒例になってきた新米小僧さんの話数単位ベスト企画。今年も参加させていただきます。来年も面白いアニメに出会えますように。(画像を用意できなかったものはその他で代用)ルール ・2017年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメから選…

2017年 音楽ベスト

例によってあまり新譜を聴けていないし、国内バンドばかり聴いていて洋楽聴いていないのですが、来年はもっとアンテナ高くして探求しようと思います。ってな感じで順不同でベストです。 Fight It Out『Most Hated』 神奈川の極悪ハードコアFight it outの3rd…

黒沢清ベスト

鑑賞した作品のみ。映像作品縛り。好きな順。 叫 蛇の道 勝手にしやがれ‼黄金計画 蜘蛛の瞳 アカルイミライ CURE 勝手にしやがれ‼成金計画 よろこびの渦巻 降霊 ドッペルゲンガー トウキョウソナタ 勝手にしやがれ‼英雄計画 DOOR III 勝手にしやがれ‼強奪計…

心霊ビデオ傑作選No.001 『Not Found外伝 いま、霊に会いにゆきます』(2014)――フェイクドキュメンタリーの真偽性を活用した傑作

初回から変わり種を出すのも反則技かと思ったが、『コワすぎ』以降の心霊ビデオユーザーにはキャラ立ちやネタ化しやすい作品のほうが受け入れやすいのではないか、と従来の心霊ビデオのジャンルから逸脱した『Not Found外伝 いま、霊に会いにゆきます』につ…

今期は『Just Because!』でキマリ!

ズバリ今季は『Just Because!』を推していきたい。ハイブリッドアニメ『宝石の国』や、力強いショットが魅力の『ボールルームへようこそ』など、飛びつきやすく批評されやすそうなアニメも大好きだけど、『Just Because!』のような派手さはないが、丁寧に積…

トラヴィス・ナイト『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』覚書

血肉を失った骸骨はダンスするように軽やかに動いて見せることができるはずだ。それが物語に縛り付けられた骸骨なのだろうか。骸骨がダンスして見せない。「口承」という嘘か誠かわからない物語でさえ、継承されていく芸術がこんなに鈍重な骸骨を出していい…

冨永昌敬『南瓜とマヨネーズ』覚書

泣き崩れる臼田がつかむ真っ赤なタオルを目撃した瞬間「はて?私はこの映画で“赤”を目撃したのだろうか?」と、思わずハッと走馬燈のようにそれまでの画面を思い浮かべようとする。(わずか数分前にオダギリが赤い半透明のビンからのど飴を目撃しているとい…

デヴィッド・ロウリー『A Ghost Story』(2017)覚書

およそ90分の時間がここまでも愛おしく充実したものになるだろうか。面白い映画に出会うとそんなことを思う。デヴィッド・ロウリーの新作『A Ghost Story』はこれまで見た『セインツ―約束の果て―』(2013)や『ピートと秘密の友達』(2016)をはるかに飛び越…

新千歳空港国際アニメーション映画祭2017

ユーリーノルシュテインの研究をされている土居伸彰さんがディレクターを務める新千歳空港国際アニメーション映画祭2017(11/2〜11/5)に遊びにいってきた。1日目は仕事だったので2日目から参加。以下に見たプログラムと大まかな感想。(見た順番通り) イン…