総集編はもういやだ Part2/『SHIROBAKO』 第18話「俺をはめやがったな!」感想

SHIROBAKO』第18話すごく面白かった。『SHIROBAKO』は、人から人へという流れの演出が多く、1クールと2クールの結びつきが感じやすい作品で、今回は1クールの第3話「総集編はもういやだ」を想起させる内容だった。

3話と18話どちらにも共通されることが「制作進行」回だったこと。すなわち、みゃーもりにスポットを当てている。18話は(1)新人声優 (2)大倉さんを口説く (3)グロス先での問題 と大きくわけて3編にわけられる。ここ数話は、新人や作画関連にスポットを与えていたので、みゃーもりが現場に出向くことは少なかった。今回は制作デスク1本目のみゃーもり自身を物語る為、3編全てにみゃーもりが同席している。(1)では、デスクとして声優さんたちへのスピーチ及び監督へのアシスト。(2)では、大倉さんに廃墟シーンをお願いする。(3)演出を断られる。 と、みゃーもりが試されていることがわかる。そう言った試練を「小さなことからこつこつと」と言い聞かせながらトライしていくが、とうとうあの言葉を言ってしまいそうになる。

それは「万策尽きました」だ。

3話でみゃーもりは、FTPサーバーが落ちてしまいデータを取得できない自体に見舞われて「万策尽きました」と言ってしまうが、矢野パイセンから「それは、デスクの台詞」と言われる。そして今回、制作デスク1本目のみゃーもりがまたしても「万策尽き…」と、言いかけたその瞬間にドアは開かれる。

ここで平岡の台詞を使わせてもらうと、「帳尻合わせ」演出の一つだろう。3話でみゃーもりは矢野パイセンに相談することで、パニックから立ち直った。そして18話でも矢野パイセンにみゃーもりが救われる(多分)と同時に僕らのテンションも到達点に辿り着く。

■最後に
今回でも思ったが、『SHIROBAKO』では特に突飛な演出しているとは思わない。ただ、2クールという作品を一つ一つ丁寧に扱い、ストレートな演出をしているように思える。ストレートな演出なのに、今期1じゃないか?と思わせるような高揚感があり、毎回これだけのクオリティを維持し続けるのは凄いことだ。円盤も1万超えたようで順調らしいし、今後も楽しみですね。

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