今期は『Just Because!』でキマリ!

ズバリ今季は『Just Because!』を推していきたい。ハイブリッドアニメ『宝石の国』や、力強いショットが魅力の『ボールルームへようこそ』など、飛びつきやすく批評されやすそうなアニメも大好きだけど、『Just Because!』のような派手さはないが、丁寧に積み重ねるドラマに心が打たれる。

親の転勤で引っ越してしまった泉が、ある日、再び親の転勤で4年ぶりに地元に帰ってくる。高校三年の冬休み。卒業までに数か月までしかなく、同校の制服ではなくひとり学ランで自習室へ登下校。そこで中学時代の友人(相馬)や好きだった人(夏目)に再会する。どうやら舞台は湘南らしいのだが、いわれなければ気づく人は多くはないのではないだろうか。夏(海の)イメージからかけ離れた冷たい冬の質感。画面の彩度や音響*1で強調されており、「夏の湘南!」といったイメージは一切ない。

1話から山下の『オーバー・フェンス』(2016)のように美しいホームランや、泉が「そこ(数か月しかいない高校)にいただろう」と記録する(役割さえ担っていまった)カメラマン(小宮)。揺れ動く心情を三角関係やLINEを巧みに使いドラマをやる。受験や写真部の廃部、数か月の学校生活、卒業したら遠くの大学へ行ってしまう運命、卒業後地元で就職…と、ドラマに不可欠な障壁を巧みに活用。カメラマンは瞬間を目撃するが、カメラマンもまた目撃される。心情に沿ったカッティングや省略も素晴らしく、これほどまでの贅沢なドラマを2017年に見れるとは…。また、声優の配役もセンスがいい。泉と夏目の主役たちは殆ど新人?声優っぽい。夏目の適度なかわいさもいい(好みの問題か)。2017年秋アニメ『Just Because!』でキマリでしょう。また根拠のないテキトーなことを書いてしまった。

*1:例えば、第6話「Restart」での相馬の叫び→画面が引き(ロングショットへ)=画面が共振する。響き方というものが冬の質感(寒く湿度が低い状態)を表現している