映画オールタイムベストテン!!

毎年ハロウィン恒例のワッシュさんのベストテン企画に参加。自分のオールタイムベストについては何回かブログでもTwitterでも書いていたりするのでさほど悩まず。結果は以下。

2017-10-31


  1. 幽霊と未亡人(ジョセフ・L・マンキーウィッツ、1947)
  2. 天使のはらわた 赤い教室 (曾根中生、1979)
  3. 劇場版 エースをねらえ!出崎統、1979)
  4. 心のともしび (ダグラス・サーク、1954)
  5. エクソシスト3ウィリアム・ピーター・ブラッティ、1990)
  6. 少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録(幾原邦彦、1999)
  7. フランケンシュタイン対地底怪獣 (本多猪四郎、1965)
  8. アパッチ砦・ブロンクス (ダニエル・ペトリ、1981)
  9. 乙女の星 (クロード・オータン=ララ、1945)
  10. 襲られた女 (高橋伴明、1981)

今年ベストテン企画は10周年のようで、2回目のオールタイムベストテンとのこと。10年前は『ブレードランナー』(1982)が圧倒的だったようですが、面白いのは今年『ブレードランナー 2049』(2017)が公開されたのでどんなランキングになるのかなと。主催のワッシュさんも選んでいますが、『マッドマックス怒りのデスロード』(2015)や『この世界の片隅に』(2016)に票が集まりそうな予感。また、10位以内には入らないだろうけど、今年はエドワード・ヤンの『牯嶺街少年殺人事件』(1991)がリバイバル上映(4時間版は初出?)されたので、少なからず票が集まりそう。

さて、自分は何を選んだかを無理やり時代観にマッチさせてみると、かの押井守タルコフスキーに影響を受けたり、犬なんか登場させたりしていますが、そんな影響を受け継ぐ遺伝子として今年『ブレラン2049』があり、さらにその影響を与えてきた押井守がアニメを映画にするには?と苦悩したときに何度も見ていたといわれている出崎統3位『劇場版 エースをねらえ!(無理やりこじつけ感)。

『劇エース』はハーモニー、繰り返しPAN、入射光などのいわゆる出崎演出の全部乗せ。90分でテレビアニメを完全に映画にしてしまった傑作。アニメと時間(出崎演出が与える)を考えうる上で必見の作品である。そして、アニメつながりで6位『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』。基本的にはテレビシリーズで完結しているものを新たに語りなおしたもの。それをパラレルワールド的な設定と前衛的な演出で突き進めた傑作。ちなみにヘッセの『デミアン』からの影響大。
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ここからは時代観など結びつけられないが、幽霊映画として1位『幽霊と未亡人』。幽霊と未亡人によるとてもロマンチックな作品。特に最後の幕引きなんて素晴らしくて…。なかなかこの感覚を言葉にできない。幽霊が出てきて怖くないというと9位『乙女の星』なんかもある。古城に暮らす少女が肖像画に描かれた男に恋をするといったロマンチックな映画。見終わった後はまるで魔法にかかったかのような気分になる。ちなみにジャック・タチが俳優として出ている。
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怖い幽霊というと5位『エクソシスト3でしょうか。廊下のショットと長回しの効果は絶大。特に気に入っているのは悪魔との対峙シーン。このシーンの悪魔の声(なのかな?)が、実はブルータル・デスメタルバンドのクリプトプシーの2ndのオープニングに使用されている。僕は音楽聴いてから本作を見たので、予想しえないクロスオーヴァーが味わえ衝撃的だった。そんな風に好きになる作品もありだよねって。もちろん映画としてのポテンシャルもとんでもない代物。4位『心のともしび』は自分の犯した過ちとどう真摯に向き合っていくか、見ている間泣きまくってしまう…傑作っす。どうやらウーさんの『狼/男たちの挽歌・最終章』(1989)の元ネタらしいですね。ランクと関係ないけど、ジョン・ウーなら『男たちの挽歌2』(1987)がいちばん好きかな。そして、何よりもフェチなのが「すれ違い映画」なのかもしれない。お互いに思いながらもすれ違ってしまう2人といえば、2位『天使のはらわた 赤い教室』でしょう。初めて見たロマンポルノで、こちらは本当に上質なメロドラマ。『天使のはらわた』シリーズだと『赤い淫画』(1981)も最高。あのジャングルジムとコタツは忘れられない。「すれ違い」に限ると、オフュルス『忘れじの面影』(1948)や『魔法少女まどか☆マギカ【新篇】叛逆の物語』(2013)も忘れることのできない作品たち。
天使のはらわた 赤い教室 [DVD]

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「すれ違い」と同じように想いが残留していく映画も好きで、それこそジョンウーやジョニートーなどの香港ノワール的な要素を持った10位『襲られた女』高橋伴明のポテンシャルには驚かされた。伴明だと『人妻拷問』(1980)も復讐映画の傑作。7位『フランケンシュタイン対地底怪獣』なんかも想いが残留していくような、余韻を残してくれる。こう見ていくと不幸にあっていくキャラクターたちが好きなんじゃないかと思えてくるが…。
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そして、どのように抗っても日常は決して変えられない。どうしようもないと思いながらも生きていく8位『アパッチ砦・ブロンクス。ポールニューマン主演。どうもどうしようもない映画が好きなようで、似たような感覚だと『荒野の千鳥足』(1971)なんかも大好き。『アパッチ砦・ブロンクス』はVHS(国内版は)しかないのでどうにかブルーレイ(せめてDVD)にならないか待っているのだが…。
アパッチ砦 ブロンクス [VHS]

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といった具合のオールタイムベストテンでした。なんか似たような感覚を持つ映画が好きだな〜といった印象。あれもこれも入れてないとか定番のコメントだけど、こればかりは勢いで決められてよかったと思う。後悔は後でするものだ!これが後10年したらどんなふうに入れ替わっていくのか楽しみだ。また、集計予想は楽しいですが、この手の企画で最も楽しみなのは他の人がどのような映画を選んだか。どんな理由でってのも楽しみ。では、ワッシュさん集計よろしくお願いいたします!

オールタイム・ベスト 映画遺産200 日本映画篇 (キネ旬ムック)

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