2017年 音楽ベスト
例によってあまり新譜を聴けていないし、国内バンドばかり聴いていて洋楽聴いていないのですが、来年はもっとアンテナ高くして探求しようと思います。ってな感じで順不同でベストです。
- Fight It Out『Most Hated』
神奈川の極悪ハードコアFight it outの3rdアルバム。速い!短い!悪い!の三拍子そろったファストでへヴィなハードコア。僕はweekend nachosとのツアーで知った新参で2ndからしか持っていないのだけど、録音状態が前作から比べてはるかの向上しているのと、よりキャッチ―になっているなと感じる。ファストコア/パワーヴァイオレンス/ニュースクールのジャンルに縛られず、へヴィでファストな音出してて最高っす。
- KUGURIDO/DIEAUDE『叫鬥』
姫路シティハードコアKUGURIDOと岡崎のハードコアパンクDIEAUDEの今年もっともアツかった分割盤。昨年、解散したsekienのベース/ボーカルのジョージ氏の新バンド初音源となるKUGURIDOの5曲は、sekienのような繊細な音とは真逆で荒々しいハードコアパンクに仕上がっている。ネオクラストといった雰囲気よりも、パンクの初期衝動を強く感じる。(ライヴで見た際はネオクラストよりの雰囲気の音を鳴らしていましたが)岡崎ハードコアパンクDIEAUDEもさすがにかっこいい。岡崎ハードコアパンクはその他のハードコアパンクバンドとは一線を画す「何か」が存在していると思うのだが、その肝心の何かが何なのかよくわかっていないのだが…。
- CAVE STATE / CONCUSSIVE『SPLIT』
昨年はパワーヴァイオレンス豊作年だったけど、今年は年末まで来てみてもそこまで胸打たれる作品には出会わなかった。ただ、このCAVE STATEとCONCUSSIVEの分割盤はよかった。特にCONCUSSIVEのブチ切れボーカルとドラムの畳みかけは今年一の爆速で激ヤバ!
- ZAY『CRY FOR THE MOON』
今年いちばん待ち望んでいた三重のメタル/クラスト/ハードコアバンドZAYの1st。彼らのとの出会いは本当に衝撃的だった。昨年グリーンマシーンの新作EPツアーでその実力を感じ、DEMO音源を購入し何度も繰り返し聴いた。こういった出会いは現場活動の醍醐味だ。彼らに出会った時に感じたのは、ジャンルは違えどXやらLUNA SEAやらに出会ったときと似た感触に似ていた。ハードコアのくくりで語られるが、ヘヴィメタル的ザクザクの刻みや、エクスペリメンタルメタル的な雰囲気、メロディなど…メンバーが多彩な音楽を聴いて影響が感じられるのも面白い。一口にメタルクラストといって聴くとまた違った印象を持つだろう。今年ナンバーワン!
- Khmer『Larga sombra』
すごく早いタイミングのリリースでびっくりしたが、これはネオクラストの名盤として語り継がれるのではないだろうか。Khmerってブラック/デスメタル(メロディックな)の雰囲気を強く持っているバンドだと思っていたけど、本作はネオクラスト要素が強くなってすごいバランス感覚で成り立った作品だと思う。今までの音源でいちばん好きだったり。
- MILK『ALL ABOUT MILK』
流行りのハードコアとは一線を画すサウンドでおなじみの名古屋ハードコアパンクMILKの1st。いつもゴリゴリの音圧の音楽ばかり聴いているので久々に新鮮な音。あまり言葉を持ち得ていないのですが、ハードコアパンクくくりで行けば今年トップなんじゃないだろうか。すばら盤!アナログ買えてよかった!
- 小松未可子 『Blooming Maps』
みかこしは1stのみ聴いていて、そんなに好きじゃなかったのですが、2ndを聴いたら格段によくなっていて3rd聴いたらダントツでびっくり。どうやら昨年からQ-MHzというクリエイター集団が曲を提供しているらしいのですが、これがみかこしと科学反応を起こして格段に飛躍したのだろう。元々、坂本真綾の跡を継ぐ爽やかポップスタイルと期待していたのでいい方向に進んだと思う。ポジティブで清々しく軽やかでノレる素晴らしい作品。特に『HEARTRAIL』がお気に入り。また、アルバム以外にも今年は『ボールルームへようこそ』シングル2枚がめちゃんこよかった!来年も楽しみなみかこし!
- 死んだ方がまし『Mensch,achte den menschen』
ポジパンってまったく通っていなかったのですが、話題になっていた『死んだ方がまし』を聴いてみたら、すごくてびっくりだった。これを機に来年はポジパン探求の旅に出ようかと…。
- 羅生門『DEMO 2017』
DCながら日本語ハードコアパンク名盤が生まれてしまった。初期衝動よろしくな3曲(+1曲イントロ)を何度繰り返し聴いたことか…。年末に発売されたアナログ盤も無事回収。どうやらmixも少し変わっているよう。日本語の濁音ニュアンスがサイコーだし、とにかく勢いがあっていい!
- Su19b『Neutralize』
まさか2ndをこんな早く聴けると思わなかった。1stを聴いたときには猛獣のようなボーカルと暗黒スラッジ/パワーヴァイオレンスな停滞(緊張)/瞬発力で足し算なり掛け算で成り立っているバンドと思っていたが、2ndは端的に静と動=暴力のような端的な構図ではなかった。音作りから明確に違っていて、特にドラムの音が顕著ですが、各楽器の音が分離したように聞こえる。音と音が時に重なり合い、時にズレていったり、各音がモンタージュし合って立体的な世界を表現している。作っている人たちはめちゃんこ頭がいいんだろうと思う。暴力を特色にもつ音楽でなかなかここまで計算づくで成り立っているアルバムも珍しいのではないだろうか。Su19bのネクストステージが見えた怪作!
- BUTCHER ABC『North of Hell』
2017年でいちばん踊れる盤でしょう!オールドスクールなデスメタル、グラインドコア、大好きな音がたくさん詰まっている。聴いているとダンスしてしまう。聴いていて身体が動く音楽はいいもんなんす。ダウンロードで買いましたが、アナログ出るならそちらも買います。
- ELMO『Draw Morbid Brutality』
なかなかパワーヴァイオレンスと名のついたバンドで個性を出していくのは難しいと思うのですが、ELMOはずっと新鮮でかっこよくELMOでしかないな〜といった印象。バンド初のアナログ音源ということでこれまたテンション激あがり。買ってから永遠リピート中。
- SLIGHT SLAPPERS『Sweet Power Violence』
スラスラの新譜は「なんでこんな曲作れるんだろう?」と悩ますような、でもスラスラとしか言いようのない作品でした。今回SWEETとついているようにめちゃんこポップなんですよね。というか、もともとポップなバンドだと思っていますが、暴力重視のパワーヴァイオレンスでポップでキャッチーというのはすごいんですね(たぶん)。年末に最高の作品ありがとうって感じっす。
- Raw Noise Apes / SxOxTxE – 『Untitled/Escape From The World Of Stone』
こちらのグラインドスプリットもすばらでした。どちらも元気のある音出していますが、とくにSxOxTxExにはぶっ飛ばされた。