TV版と劇場版の関係性/『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』を見る前に!

絶賛大ヒット中の『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』ですが、1週目はミニ色紙、2週目はポストカード、3週目はフィルムとオタクたちを搾取する三段構え戦略で、なかなかライトファンや映画ファンは近づきにくくなっているのも事実です。僕もオタクじゃないと言い張っていますが、まどかに至っては本当に好きなので特典があるにしろ既に7回観ました。恐らく特典なしでもあと数回見に行くと思います。多分興味が無い人が話題作だからって、この映画を見に行くと、「なんじゃこりゃあ、わけがわからないよ」モードに陥るし、まだ『叛逆の物語』を見ていない人に劇場版しか観ていない人、それに個人的にもう一度、TV版と劇場版について考えたくて書きました。

魔法少女まどか☆マギカ 劇場版とアニメ版の比較まとめ[前編] - NAVER まとめ

TV版と劇場版の違いについては、この辺を見てもらうか「まどかマギカ TV 劇場版 違い」あたりでググって見ればたくさん考察されていますので参考までに。

先にこのエントリーの結論から言ってしまうと、新房監督が語っているように「劇場版はTV版から更に数回ループした世界」ということです。結論はこれに落ちるんだけど、僕が思ったのは、作品自身がループしているように僕ら(観客)自体もループしているということ。確かに新房監督がいうように、『叛逆の物語』は劇場版『始まりの物語』『永遠の物語』の続きです。しかしながらTV版からしっかりと見ている人にとって、どこかデジャヴ感を感じせざるを得ない。それは上記にリンクした要素が複雑に絡まっているのだけど、特に僕が一番デジャヴ感に困惑したのが、TV版一話『夢の中で会った、ような…』の夢シーンが劇場版では省かれているということ。TV版からの視聴者は「あれ?劇場版で映えるあのシーンないじゃん」「あれがないとまどかが不思議そうな顔しているのがわからない」という反応をしてしまいます。(僕も最初はそうでした)逆に劇場版から入った人にとっては、TV版からの視聴者の「?」反応に逆に「?」になる。というのが、もともと、何回もループしている話ということを頭に入れていると、『夢の中で会った、ような…』のシーンがなくても「?」にはならなくて、「ああこれはループしてたんだな」ってのがわかります。だからこそ、あのシーンを省いたのが、TV版からの視聴者、劇場版からの視聴者ともにデジャヴ感というか不思議な感覚に陥るのです。だからこそ個人的には、『まどマギってのがすごいらしいけど、劇場版から見ようかな』って人には、是非TV版から鑑賞してこの感覚を味わって欲しい。

僕は時間軸で言うと3話が終わった後から、ネットでの評判をみて見始めました。あの時の感覚ったらすごかった。TVはもちろん、映画、アニメってのは賞味期限というか、リアルタイムで見るのがかなり重要なジャンルだと思います。作り手も同じ人間です。だから、今の社会情勢や個人の想いなど、まさしく”今”を感じながら、作品をつくっている。その”今”を同じ時間で共有するってのはそのときにしか出来ないことです。僕はギリギリTV版に間に合ったものとして、まだ『叛逆の物語』が絶賛公開中の”今”に多くの人にこの感覚を味わってほしいと思っています。

宇多丸さんもリアルタイムで観たかったと語っていました。↓(バレはあるけど、『叛逆の物語』評としてバランスがとれた素晴らしい評でした。)

TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル

個人的にはもちろん、一般的にもまどか☆マギカは10年代を代表するアニメ作品です。この感覚を是非この”今”のタイミングで!