A.T.フィールドをぶっ壊す「いいね!」

起床、会社に向かう、昼食を食べる、帰宅する。その合間に、Tweet、ファボ、フォロー、Retweet、いいね、に代表される承認欲求。すなわちリア充合戦。果たして、真の「リア充」とは?何か?彼氏・彼女、旅行、友だち、仕事…SNSが当たり前になり、日常生活の報告、もしくは作られたリア充っぽさの報告。久しぶりに会った友だちのはずなのに、SNSでは毎日見かけているので、久しぶり感が薄い。

ある人は「自分より他人の方が自分のことを良く知っている」ことがあると言う。


他者は、相手から発信された情報を客観的に見る。もしくは、主観的にかもしれないし、相手の発信された情報の”意図”を読み取る。著名が当たり前だったインターネットに、個人の価値、ネットの人だけではない、実態した人を存在しうる場所を創造したSNS。昔は、インターネットをやっていることを公表している人が少なかった。そして、ネット同士の繋がりを否定してきた。でも、気づけば、一般層までもが”オフ会”に参加することが当たり前になった。著名から、実態ある個人を求める時代。他者とは違う価値観を出そうとする人たち。


昔は、固定電話、ポケベル。『トップをねらえ!』ではなかったけど、『ほしのこえ』ではあった携帯メール。僕の中学の頃には、カメラ付き携帯。折りたたみ式カメラ付き携帯を持っているだけでヒーローのような存在になれた。写メール、ワン切りチェーンメール。気づいたら宇宙飛行士がTwitterでつぶやく時代。遠かった存在が近く感じるようになった時代。でも心の距離はどこまで埋められたのか?距離が縮まったと思い込んでいたら、意外と相手のことを知らないことが多かったりする。

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「自分より他人の方が自分のことを良く知っている」の裏返し。知っていると思っていたら、全然違っていた。そんなこともある。その条理を受け入れて、成長していくのが大人になること。あくまでも自我を求め、相手の求めるだろう世界を求め続け、成長することを選ばなかった、大人を捨て去った”暁美ほむら”。彼女は果たして幸せになっただろうか?恐らくなっていないと思う。だけど、人の幸福度は人それぞれによる。幸せを捨てて、全て好きな子に幸せになってもらう為に、自ら決定した。

いつかこの世が『her/世界でひとつの彼女』のように、AIと生活を始め、疑似恋愛に、疑似SEXをする世界になるかもしれない。ネットと現実世界の垣根がなくなってしまうかもしれない。*1さっき、というか今、TVで「エヴァ破」がやってる。もしかしたら、今は少しだけA.T.フィールドが足りてない時代なのかも。それでもこの世界を「忘れるものか、この一分一秒を」と過ごすしかない。