お仕事ヒーローと海賊 「タイバニ」と「モーパイ」の劇場版を見た。
公開時見逃していた『劇場版 TIGER&BUNNY-The Rising-』と『劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE−亜空の深淵–』を鑑賞しました。
「タイバニ」は2011年にTVで2クール。「モーパイ」は2012年にTVで2クールと、放送されていた時期も近しく、どちらもカルト化までは行かないが、年間通して面白かったアニメと認識していた。「タイバニ」はヒーロー。「モーパイ」は海賊モノと、違ったジャンルのように見えるが、どちらも世間から認められた”お仕事”として描かれている。
「タイバニ」ではヒーローの活躍をTVとして放送し、視聴率を稼ぐとともに事件を解決すれば各ヒーローにポイントが付与されるシステム。ヒーローの”正義の為に戦う”といったことに対して、報酬を与える。この作品そのものがヒーローの批評になっているようなアニメ。「モーパイ」もタブーというか本来であれば警戒されるべき海賊を”興行”とすることで、希少価値の高い海賊体験を船の乗客に与え船の顧客満足度を挙げる。それによって、スポンサーからも喜ばれ海賊が継続されるシステムだ。また、時には人を助けたり、荷物を運んだりと、いわば宇宙の何でも屋的な存在でもある。
「ヒーロー」と「海賊」 職業は違えど、困っている人に手を差し伸ばしたい。
真っ当とは言えない仕事の筈なのに、真っ当に仕事をして、みんなが幸せになる。
そんなところが二つの作品の共通点だと思う。
よく「趣味は仕事にしないほうがいい」というアドバイスを聞く。
好きなモノが辛くなるのは、確かにキツいものがある。
でもなかなか、アニメでは趣味を仕事にしないほうがいいとは言わない。
直接的にそれを言った訳ではないが、『ガンダムビルドファイターズ』は「趣味だから本気になれる」を追求した作品であり、「仕事」=「本気」認識を真っ向からぶっ壊して、「遊びだって本気なんだ」を表明した作品だった。
『劇場版 TIGER&BUNNY-The Rising-』は、どんな状況でも「自分が出来ることをやるだけ」と言い、
『劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE−亜空の深淵–』では、「自分のことは自分で決めて、決断が自分のベストになるように」と言う。
どちらも「自分がしたいからする」がキーになっている。
GBFが趣味でも本気になれることを表明したなら、こちらは「仕事にしても本気になれるぞ」と訴えかけているよう。趣味であろうが仕事であろうが、本質的なことは実は変わらないんだよと、そんなことをさらっと言ってしまう凄さがある。
こんなことはなかなか言えるもんじゃない。
「タイバニ」は中年のおっさんだし、「モーパイ」はまだ女子高生だ。
どちらも丁度いい人たちが丁度いいことを言うんではなく、引退差し迫った中年と、まだまだ未来が広がる女子高生がわかっているアニメだから説得力がある。
■軽く感想
どちらもTVに比べ、派手になっているし、テーマも脱線しておらず、とても良い作品だと思いました。
特に僕は「タイバニ」の方が面白かったですね。「モーパイ」は肩の力が入っておらず、完全な悪意が存在しないし、誰かが極端に落ち込むことなく、みんなが幸せな映画。「タイバニ」はお金の掛かり方もTVとは全然違うと思うが、終盤のバトルシーンは3DCGの動きがとても気持ちよく、派手で最高でした。気が向いたら、「タイバニ」は別エントリーしようかなと言う感じ。どちらもオススメです。
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