実力派アニメーション作品/『凪のあすから』が面白い。

今期は『キルラキル』がカオスっぷり破天荒っぷりを見せつけて目立っているけれど、地味でも着実に実力派と呼ばれる作品が毎期そんな破天荒な作品の裏に隠れている。それは、今期で言えば『凪のあすから』なんじゃないかなと思う。アニメーション制作会社ピーエーワークスの作品となるが、ピーエーワークスといえば、代表作として『ture tears』『花咲くいろは』『TARITARI』なんかが挙げられる。特に去年(恥ずかしながら僕は今年観た)の『TARITARI』が傑作だったし、今年の『花咲くいろは HOME SWEET HOME』も人間が互いに対となる演出が光る傑作だった。とにかくピーエーワークスは人と人の関係、ヒューマンドラマを書かせれば敵なしと思わせる成熟した表現方法でアニメをつくる。『Another』もオカルト要素を含んでいるが、人と人との対峙、恐怖(オカルト)と人の対峙と緊張感を存分に味わせてくれ、毎週が非常に楽しみだった。

その実力派アニメーション制作会社が手がけた『凪のあすから』だが、これも文句無しに面白い。人と人との対峙、陸と海の対峙そして、7話『おふねひきゆれて』では、同族同士(海と海)の対峙を実現させている。それに三角関係にちょっとギリギリなNTR展開と、時よりスラッシーな演出を入れながらも、綺麗かつ丁寧に描く事で、人と人が相容れることは容易い事ではないと教えてくれているように感じる。それはとくに、7話『おふねひきゆれて』で強調されている。
6話以前で、海と陸にそこまでわけ隔てるものはないとわかった光は「俺たちは魚じゃねえし、あいつらも豚じゃねえ。おんなじ言葉通じる人間だ。」と物語の本質を語る。対して、光の父親は海から陸へ行こうとするあかりに「言葉が通じるからこそ絶対超えられねえ違いってのがはっきりしちまうこともある。」と言います。このあと光の姉あかりが「おかあさんに聞いてみたの…もしお父さんが陸の人でも結婚した?って」と語っているように、そんな言葉問題ともしなかったんですが、人と人とのコミュニケーションの難しさを語りつつも、人と人との繋がりがとても大切なんだと同族同士で語らせることでこの物語の本質を強調している。


※見よ!この絶対的ヒロインを…(『TARITARI』さわちゃん)

正直キャラ萌え的には、『TARITARI』の砂羽ちゃんレベルのヒロインがいないので、今作は弱いなと感じなくもない(あかりちゃんは可愛いな)けど、ドラマ・作画クオリティはピカイチだし海と陸という世界設定もとても面白い。また、来期含めると二期構成(かな?)と長い間楽しめるし、キャラ萌え作品のような取っ付き難さもなく、絵が非常に綺麗なのでアニメオタク以外にも勧められる作品だと思う。今からでも充分間に合うので、普段アニメ観ないよって人にもオススメです!