前期の作品だけど…『ガッチャマン クラウズ』が面白かった!
秋になってブンガク(カタコト)の秋だーなんて思ってたのだが、夏に全く観る気が起きなかったアニメを観まくっていて、なんか「ガッチャマンが話題になってたなー」っと見始めてみたが…これが傑作だった!
まず、僕は『ガッチャマン』自体に思い入れがない。”ガッチャマン”という単語を聞いて、せいぜい「ああ、ガッチャマンねえー」と風貌を思い浮かべるくらいで、世代が全然違う。だからすんなり入れたってのもあるんだろうけど、ネットだと「これをガッチャマンでやっても…」という意見もチラホラみられた。それくらいに恐らく”ガッチャマン”してない話なんだろう。
先日、ビームスの記事でビームスは”今”を追いかけていると書いてみたが、『ガッチャマン クラウズ』もまさしく”今”のお話だった。過去の『ガッチャマン』はSFジャンルにカテゴリされますが、対して『ガッチャマン クラウズ』は全然SFしてない。事の問題が”SNS”で起きることもあり、”未来”ではなく”今”の問題を取り扱っている。
物語の主軸は「ヒーローってなんすかね?なんなんすかね?」(byはじめちゃん)ようはヒーロー(正義)って何?なんですね。あらすじをさらっとかくと、「GALAX(ギャラックス)と総裁XいうSNSで世界をアップデートしようとする管理人の塁君が、ベルク・カッツェという宇宙人に翻弄され世界の破滅と戦う」というようなお話しになっていて、一見ガッチャマンっていうアイコン使う必要が無いじゃない?と思えます。
ただ、制作者側の意図としては『ガッチャマン』をやるというよりも、ガッチャマンを使ってヒーローの意味を問いたかったのじゃないだろうか。
『ガッチャマン クラウズ』で問題を起こす引き金になるのが、ベルク・カッツェという宇宙人なんですが、悪事が『ダークナイト』のジョーカーっぽいのですね。特に、後半の”クラウズ”を使って一般人に立川を破壊させるシーンは、『ダークナイト』の船のシーンっぽい。ラスト12話でも謎を残しながらもまだ犯罪は終わらないんだよendも『ダークナイト』以降のヒーロー映画の影響受けている気がします。
もちろん「『ガッチャマン』じゃなくていいじゃないか」という見方はあるのですが、オールドスクール・ヒーローの『ガッチャマン』に『ダークナイト』を交えて”今”にリバイバルさせているのが凄いと思ったんですよ。単なるリバイバルじゃファンしか喜べないけど、”今”の問題をあえて『ガッチャマン』で捉えているのが面白い。
Twitter/Facebook/LINE…と、SNSがこれだけ増えて真実や嘘が顕在化していく世界になりつつあるなかで、本当に何が正義(ヒーロー)なの?なんて問いかけられたような気がします。 (SNSでの乗っ取りや成りすましやらも題材となっているのが面白い)
そもそもヒーローってなんなの?というところについては、人それぞれの”ヒーロー感”があるのでややこしいのですが「世界をアップデートするのはヒーロじゃない。僕らだ。」って考えは一つの正論だと思うんですね。(この考えが好きか嫌いかは別として)個人的にヒーローって現実の世界だったら、ただ憧れの存在で、Xのhideだったり、emperorのIhsahnのようなミュージシャンだったりするんですよ。だからアニメや特撮の世界でも単なる憧れや「かっこいい!」が先行するのが個人的ヒーロー持論。逆に言えば、この間の『マン・オブ・スティール』みたいな筋肉マッチョが真剣に悩む話とか駄目で、『パシフィック・リム』くらい振り切ってやってくれた方が好き。
だから、塁君がクラウズでみんな同じ価値観を求めていたくだりは(エヴァの「人類補完計画」っぽい感じ)、「正論だけど安っぽくて絶対成り立たないなあ」なんて目で観てました。ただ、あれも正義っちゃ正義なんですよね。
まあ結局、多種多様の人間がいるよねって話になりましたけど、全話観終わった後も、はじめちゃんの「ヒーローってなんすかね?なんなんすかね?なれるんすかね?」がずっと脳内再生され問いかけられています。
スパイダーマンでは、「大いなる力には、大いなる責任がともなう。」と語っていたけど、みんな一人一人が大いなる力がなくても小さな力でも誠実なヒーローだったら、この世の中は平和になるんだろうか。大いなる責任も伴わないで・・・
少しタイムリーな話をすると『安堂ロイド』一話では、ヒーローだったキムタクがヒーローを脱ぎさってヒーローになる話をしている。日曜9時のドラマでさえヒーローの話をしたがるんだから、もう少し真剣に自分の”ヒーロー”というものに真剣に向き合っていきたいなと思いました。
まさに「ヒーローってなんすかね?なんなんすかね?なれるんすかね?」な作品でした!面白かった!(同監督の『C』も観返したくなりました)
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