一歩間違えると善にも悪にも…『アメイジング・スパイダーマン2』※ネタバレあり

GW話題映画アメイジングスパイダーマン2なかなか面白かったと思います。ただ、先に言っておくと、3Dにあまりノレませんでした。この手のヒーローものだと、世界観の強調としてよりも迫力を3Dに頼ってしまうからレイアウトが似通ったように見えてしまい、画面が窮屈に感じてしまった。確かに、迫力はあるのかも知れないけど、もう少しゆとりのある映像が見たいなと思いました。

さて、今作は前作で「スパイダーマン」となったピーターが「呪い」と戦う物語です。

「呪い」については、前作を見ればわかると思うので詳しくは割愛しますが、恋人であるグウェンのお父さんから「グウェンと関わるな」と約束させられてしまったことです。

マークウェブが上手かったのは、もともと恋愛映画出身ということで「呪い」についても恋愛というフィルターを通して描写されている。多分、人によっては、ピーターが約束を簡単に破りやがってと思う人がいると思いますが、グウェンと会うときにルールを決めたり、写真を貼って「君を失わない」とか書いてしまうあたりは、高校生ー大学生の恋愛を描いているのでかわいいかな〜と僕は思いました。

それと、今作描いていたのはコミュニケーションの取り方次第で、一つの言葉・行動が善にも悪にもなってしまうこと。

ピーターは今回の敵キャラである「エレクトロ」とデハーン演じる「グリーン・ゴブリン」とはいい関係であるのに、コミュニケーションが上手くいかなかった。

エレクトロに関しては、状況が悪かったのですが、エレクトロの受け取り方も悪かった。彼は、能力はあるけれど、誰からも注目されたことがなく、人に認められたい「承認欲求」にまみれた人。デハーン演じるハリー・オズボーン「グリーン・ゴブリン」にしても、化け物として死んでいく運命を背負い、必死に人間として生きていきたい強い欲求を持った人物。

ハリーの末路を考えると、ピーターは友だちとして、もう一言二言何か言ってあげればこういった事態はもしかしたら防げたかもしれない。ただ、そこでピーターを攻めるのは間違い。彼も「大いなる責任」を背負って生きている。彼にはそれがわかっているから、全てを話す事はできないし、自分の対応について苦悩する。

そして、最終的には彼らは「悪」として間違った道へ進んでしまいますが、この映画のラストで、彼らとは逆の生き方を選んだ人物が登場します。この人物の使い方が非常に上手い。まさに、一つの言葉・行動が善にも悪にもなると描いており、いい終わり方をしてくれました。

ただ、この映画、グウェンとの恋と呪い、両親の真相、エレクトロとハリー対峙と、ものすごい情報量がつめ込められています。それにしては、140分超えでしたので、ゆったりとした時間が流れていましたが。

内容自体は申し分なかったです。ただ、この手のヒーローものはよっぽどでない限り2Dでいいかな〜と感じました。実際「マンオブ」もノレなかったし。まあ、作り手が意識しているかわからないけど、画面の窮屈さはピーターの心境とも関わってくるのかな〜とちょっと思っていたり…