『赤髪の白雪姫』第10話 アバンの視線誘導について
夏アニメ結局あまり見れてないけど『赤髪の白雪姫』面白かった。特に好きだった10話の演出についてちょろっと短めに。
10話は、海にある鉱石などの場所を知らせてくれる耳の良い鳥が暮らす島がメイン。そこの領主が鳥狩りを楽しんでるんだけど、住民はそれをやめさせたい。そのために鳥をテストすることになる。島の住民は鳥の価値がわかっている(見えている)が、領主はその価値がわからない(見えない)から鳥狩りを楽しみ羽飾りを売ってしまう。
その「わかる/わからない」(見える/見えない)がアバンから「視線誘導」という形式でうまく簡潔に説明している。
・リュウを呼ぶ白雪(聞こえないリュウ)→鳥が現れる(白雪の視線)→リュウがびっくりする(白雪の声に反応する)→白雪が鳥使いを認識する。
夢中になったリュウに気づかせるために鳥が動く。
この裏では「リュウを呼ぶ白雪」を目撃する「鳥使い」といったシーンが隠されている。だから一連のカットで鳥使いのカットに挟まる。すごくシンプルなようで後々の鳥をテストするシーンを内包するシーンであった。
島の領主が白雪に「こなかったことにしろ」と持ちかけられ鉱石でできた鈴を湖に落とされるが、
「本心では動けない時があると思う。私は全力であの人をそんな目にあわせない。だいたい、何かを守ろうとしている人の懸命さも目に入らないような地位なんてこの見張り台より低いってえの!」
と威勢良く湖に飛び込む。彼女は王子の本質をしっかり”見ている”人。それが”見えない”島の領主。
ここでも鈴を見つけるのは鳥である。ここに鈴はあると白雪の視線を誘導する。領主には何も見えていないが、鳥には全てお見通しだ。アバンの演出が10話丸ごとの演出になっている。非常にシンプルな演出ながら惚れ惚れする回でした。
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