惰性でブログ続けている僕が選ぶ 2014年新作映画ベスト10!

気がつけば年末がやってきますねー。なんとも毎年同じことの繰り返しですが、また来年もいい年であるようにと祈るばかりです。そして、恒例のベスト10ですが、今年は98本の新作から選出!下記に発表。

1.ジャージー・ボーイズ
2.グランド・ブダペスト・ホテル
3.ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪
4.たまこラブストーリー
5.収容病棟
6.キング・オブ・ヴァジュラ 金剛王
7.パズル
8.ドラッグ・ウォー 毒戦
9.エレニの帰郷
10.セインツ−約束の果て−


下記、簡単に感想を。

1.『ジャージー・ボーイズ

80を超えたイーストウッドが成せる技なのだろうか、スピード感が凄まじい。賞を総なめしそうな「6才のボク〜」は長期にわたっての撮影だったが、同じ一人の人間の長い時間の物語なのに、切るところは切る、残すところは残すが完璧に出来ていたのではないかと思った。恐らくサクっと仕事をこなすように、バシバシと撮っていたのではなかろうか。ラストのミュージカルは過剰で好みではないのだけど、80を超えたイーストウッドがコレをやっていると思うと泣けてきた。人生にスポットライトを当てる映画。

2.『グランド・ブダペスト・ホテル

人が人を介して「物語」を語る映画。もしかしたら、人から人に語られたことは、どこかで捻れて伝わってしまい、真実じゃないかもしれない。でも、語っている人にとっては、それは紛れもない真実であり、想いのこもった物語であると強く感じた。

3.『ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪』

ツイハークが、功夫、ワイヤーアクション、化け物、ミステリ、バディ、メロドラマ…映画のジャンルをフライパンにぶち込み炒めた一級品の料理。夜呼び出されただけで、天上を突き破ったり、断崖絶壁の壁で戦うとか、アクションが過剰にもほどがある。しかしながら、元来、映画的な「馬が駆ける」ことを、あんな演出でやってのけるとは、、、、、もう、とにかく見ましょうとしか言えない。傑作です。

4.『たまこラブストーリー

「投げる」こと、「受ける」ことの基本的な演出で80分駆け抜ける。ラストはちょっと気恥ずかしいけれど、キュンキュンする今年のナンバーワン・アニメ映画。「かたじけねえ、かたじけねえ、、、」

5.『収容病棟』

前編・後編合わせ4時間にもなる長尺映画。収容された人が、わけのわからない行動をしながらぐるぐると何度も何度もまわる。音楽で言うと、「フューネラル・ドゥームの」ような繰り返しの美学(円環構造)を思わせる。しかし、見ていくと、ハッとするような美しい旋律に気づく。それは外の世界(階段)の存在。それは、いつもそこに見え、時には見舞いに、時には抱き合う男女と、美しい旋律が物語を作り出す。これは、フューネラル・ドゥームながら、美しい旋律が交わる「ゴシック・ドゥーム」のような作品だと感じた。いつも僕が思うことがあって、映画にとっては紳士的ではないかもしれないけど、映画以外のものとの結びつきを感じ鳥肌が立った。

6.『キング・オブ・ヴァジュラ 金剛王』

功夫映画の大傑作!一人の功夫の達人がカルト集団をぶっつぶしにいくということだけでも血が騒ぎだす。大男、猿、ライバル、、、とアツい男たちの死闘の映画。そして、隠れバディものといい、コレもとにかく見ましょうムービー!!ちなみにDVDスルー作品

7.『パズル』

何かをするには全うな「理由」がいるのかい?と問う映画。『イノセント・ガーデン』や『キャリー』を「ソウシリーズ」で牽引するスラッシャームービー!目を背けたくなる光景が続くが、同時に少し覗いてみたくなる人間の心理。難しいこと考えずに、とにかくお勧めしたいエンタメ作品。

8.『ドラッグ・ウォー/毒戦』

ジョニートーの新境地というか、いつもと違った風味を感じた。『エグザイル/絆』のような全シーン様式美ではないし、『ヒーロー・ネバー・ダイ』の過剰さでもなく、『ザ・ミッション/非情な掟』のような押し殺した演出でもなく、あくまでもストーリーを円滑に進めているように、そして、感情移入をさせないように作られていると思った。ある意味普通なのかもしれないけど、ハッとするシーンは存在するし、「裏切り」からは逃れられないというテーマも重苦しく、揺さぶられる物語だ。

9.『エレニの帰郷』

テオ・アンゲロプロスの遺作となってしまった。『エレニの旅』ほど揺さぶられなかったけれど、ラストの雪をかけるシーン。先日エントリーしたのでここでは避けますが、ある作品との結びつきを感じ、妄想が膨らみ、無音のエンドロール中ずっと号泣していた。

10.『セインツ −約束の果て−』

会話を排除しまくった銃撃戦に一瞬テレンス・マリックかい?と思わせるような美しい映像に酔わされ、そして、美し過ぎるルーニー・マーラとその涙にヤラれた。選んだ中では、『収容病棟』もそうだけど、1回だけしか見ていない映画の筈なのに、美しい映像がずっと頭に残っていたので選びました。

■選外について
「セインツ」と最後まで迷ったのが、ジェームズワンの『インシディアス第2章』。夜をバックに洋館をナメて撮るショットから始まり「インシディアス2始まるよーー!」と大号令をかけられた気分となり、1との結びつきを感じるトリッキーな作りに酔わされた。後は、初の海外ロケ作品になった『Seventh Code』まさに”ビックリ”な大傑作。黒沢清はどこでも撮れるなと感じた。残りは、『家族の灯』『イコライザー』『フライト・ゲーム』『やさしい人』『ある優しき殺人者の記録』『マイブラザー哀しみの銃弾』『ポンペイ』『スノーピアサー』が好み。アニメだと、「タイバニ ライジング」「モーパイ」『次元大介の墓標』がよかったです。

苦手だったのが、『ピクニック』『オンリー・ゴッド』『FORMA』『サスペクト 哀しき容疑者』ですかね。あ、あと、『ザ・イースト』とか『キョンシー』とか…

■まとめ
今年もいい映画にたくさん出会えました。特に『パズル』や『キング・オブ・ヴァジュラ』あたりはTwitter等をやっていなかったら見れなかったので、SNSの恩恵受けているなあ、、、と。逆に『ケープ・タウン』は気づくのが遅くて、見れなかったので、来年は取りこぼしないように頑張りたいですね。ウェブのベスト関連は、空中キャンプ賞とアニメベストテンと参加させて頂き、誰が何を選んだか?というのが面白かったですね。来年もいい映画に出会いたいですね。おわり

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