そして、劇場へ… 『サイコパス 2』最終回を見た。

2期はキレキレだったサイコパス2』も最終回を迎えました。

サイコパスの世界では”免罪体質者”をシビュラシステムに取り込むことで、犯罪のない理想郷を作ってきた。ただ、これは個人を尊重しないどころか、個人を管理することで、世界を意のままに作り上げるということである。

理想郷だと思っていたら、実は監獄の中だった。

ディストピアSFモノではこういった人間の管理が語り継がれていて、『未来世紀ブラジル』は管理社会への皮肉、『カレ・ブラン』もそうだし、先日の『楽園追放』でも人間の電脳化が描かれていた。理想郷には必ず穴がある。何もかも十全で、健康的で、真っ白な世界なんて存在し得ないのだ。同じ秋アニメの『クロスアンジュ』でも、平和の為の必要悪について語られていた。

個人ではなく集団として、シビュラシステムの脅威になり得るカムイを認識することで、シビュラシステムは更に完全な世界を作ろうとする。ただ、それにはリスクが伴い、免罪体質者の寄せ集めのシュビラシステムそのものも集団として認識される。つまり、シビュラシステムも裁かれ、これまで作り上げてきた世界そのものが、破綻しかねない可能性があるということだ。

犯罪を犯してもサイコパスが濁らない免罪体質の殺人犯。それが、集団の中の一人だったとしよう。そうすると、シビュラシステムは罪なき人々がいる集団を裁く必要が出てくる。個人を管理することで犯罪のない理想郷を追い求めたシビュラシステム。シビュラのおかげで、この世界では戦争などの大きな事件は起きていないように見える。ただ、集団を認識した後、何が起こるかわからない世界に進む。

この最終回でありがちなディストピアSFから、次のステージへ進んでいるように見える。劇場版も楽しみですね。

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