「えくそだすっ!」と『SHIROBAKO』の関係

SHIROBAKO』9話「何を伝えたかったんだと思う?」を見ました。

7〜8話は原画担当の安原ちゃんをクローズアップしたものでしたが、9話では3DCG担当の藤堂ちゃんをクローズアップさせながら、SHIROBAKOのテーマをさらりと説明する回だった。

前にもさらっと書いたけど、ピーエーワークス作品には珍しく『SHIROBAKO』は、夢を叶えた後のお話。
すなわち「憧れが現実になったときどうするか?」だ。
主人公・宮森あおいと安原ちゃんが務める武蔵野アニメーションでは今期「えくそだすっ!」という美少女アニメを作っていて、SHIROBAKOではその制作過程が物語とリンクしている。

今回の9話「何を伝えたかったんだと思う?」では、3DCGでタイヤばかり描いている藤堂ちゃんが「先輩も3年車の内装しか担当していないし、私たちのアニメを本当に作れるようになるのかな、、、、」と理想と現実の狭間で揺れ動く心情を捉えている。

対して「えくそだすっ!」の進行では、監督がラストに悩んでおり、全く進まないといった緊急事態。
これはまずいとシナリオライター相談する流れに…


えくそだすっ!」の彼女らは何から逃げていたのか…
それは、辛い現実…
何を手に入れるのか?
それは歌…
あかねはすぐ人を信じてしまう…
どんな時も人を信じてしまう…
ウィークポイントだけど、それは違うのかも…

この作品にどんな想いを込めて制作に取りかかったのか…
このアニメで何を目指していたのか、とシナリオライターと話すというか自分自身がやりたかったこと、奥底に眠っていたモノを呼び起こすような、再確認するような流れになる。

3、5年後もタイヤを描いているかもしれない。
1年後には仕事がなくなっているかもしれない。
夢と現実に困惑し、何もしていない自分に苛立っているかもしれない。

憧れた舞台、無限の可能性にいる、そんな自分がどうやって生きて行くのか?
ただのストーリー進行のための劇中劇だけでなく、「えくそだすっ!」を作品のテーマにさらりと絡ませる、とっても上手い回だと感じました。おわり

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