今更ながら「アナ雪」を見て思うこと。

映画館及び円盤でも今年最大のヒット作になりそうな「アナ雪」ですが、レンタル開始されていたので今更ながら鑑賞しました。

僕はアニメーションをメインに見たかったので、吹き替えで見たのですが、役者の演技も良かったですし、今回、爆発的に売れる要因となった「歌」に関しても悪くなかったし、キャラの動きともマッチしていて良かったと思う。それにアニメーションに関しては、流石ディズニーというべきか、流れる運動の連鎖や雪の質感まで職人芸のクオリティを発揮していた。


それで見た感想としては、確かに映画要素の一部でしかないが、「歌」は良かったし、メディア効果も含め爆発に売れたのもなんとなくわかる気がする。ただ、キャッチーなわりには、「真実の愛」というテーマがややこしいなと感じてしまった。


「真実の愛」の解釈については、疑問にもたれている方がたくさんいるようですし、様々な意見が公開時から飛び交っていいますが、本来は今作の到達点であるはずなのに「もったいないな」と感じた。まず、あのシーンを描く為には、凍り付いてしまうアナがあのようなキャラであることは必然である。なのに、アナがむかつくとかの感想を見かけてしまったので、


「アナたんかわええええええええええええええええ!!!」


とか思っていた僕は、しっくりしなかった。だって、両親を亡くしたり、姉からは構ってもらえない、城内の人とはあまりコミュニケーションをとれる状況でなかったと思えば、あの程度の世間とのズレはあって当然だと思うし、だいたい少し極端に描かないとキャラとして面白みがないでしょ?それに、女の子が運命の人に憧れる・勘違いするってのは、アニメとしてとてもポピュラーだと思う。


エルサやアナに恋する男(名前忘れた)にキャラに関してもキャラが確立出来ていると感じたし、個人的にどれも好きなキャラだ。で話を戻すと、ややこしかったのが「真実の愛」。ラストシーンで凍り付けになったアナの氷を溶かすのは、自らの命を犠牲としながらもエルサを守った行為に愛を感じるエルサということになる。


確かにそれは美しい行為だし、王道的な展開である。ただ、エルサが殺されそうになっていたときのアナの心境って、「殺されそうになっているので助けなきゃ」ということなので、まさかここで見捨てる訳にも行かないし誰でもここは助けに入るんじゃないの?と思う。確かに、このシーンのみを切り取ってみればいいシーンに見えないことはないが、こんな当たり前のことを当たり前にこなしているだけの演出は、この物語の性質的に「到達点」としては弱くないかい?と思うのである。やってることは正論だと思うし、多くの人に受け入れられ易い話になると思うんだけど、あまりにも事務的に着地させた気がして個人的には受け入れがたかった。


それと残念に感じたのは、幼少時にエルサがアナを殺しかけたエピソードが、さほど活かされていなかったこと。すごく使い易いエピソードに感じたのですが、多分エルサの内面だけで着地してしまっていて、大っぴらに使っていなかった。ラストで自己犠牲払うくらいなんだから、余計にわかり易く使えばいいんじゃないの?そうしたほうが、「真実の愛」が伝わり易いのでは?と感じた。


正直言えば、思ったより全然楽しかったんですよ。それは、最初の方に書いた要素でノレたので。ただ、「惜しい」「もったいない」という残念感が拭えなかったですね。期待しないで、ぼけーと観る分には楽しいと思うし、個人的には「マーニー」よりノレましたね。そんな感じの今更ながら「レリゴーーーーー」でした。