学園ラブコメ要素排除!『コードギアス 亡国のアキト/第2章 引き裂かれし翼竜』※ネタバレあり

最近の春アニメ・夏アニメともに不真面目にアニメと向き合い過ぎていたので、ちょっと気合いいれっかと『亡国のアキト』を観に行ってきました。観てびっくりこれがなかなか面白い!というか凄い!劇場版アニメとしてお手本とは言いがたいが、風変わりなファンムービーの傑作劇場版アニメだった。かといってファンだけを満足させるようなぬるい要素が皆無で、本編とは違う面白さを追求している。

まず、『コードギアス 反逆のルルーシュ』と言えば、一期が2006年、二期が2008年夕方に放送されたアニメとしては、なかなか成功したアニメだ。内容そのものは、「日本が植民地化され〜」から始まりルルーシュというカリスマ性のあるキャラクターがタイトル通り反逆していく内容なのだが、夕方に放送するには少しばかりシリアス過ぎる。ただ、上手かったのが、そこに学園ラブコメディ要素を足して名作とされたこと。

しかしながら、TVアニメで成功した「学園ラブコメディ」要素を『亡国のアキト』では全部取っ払ってしまっているのにびっくりだ!

正直僕は、「ルルーシュとC.C.とスザクが出ないギアスなんてギアスではない!」という感じと、劇場版なんぬるいだけだろうと思っていて1章は劇場スルーして最近鑑賞したんですが…「なんじゃーこの気合い入りまくった作品は!」と度肝う抜かれた!
いや、もう製作陣のやる気にはびっくりだ。戦闘描写なんてものすごい。本編よりCGを多用しているが動きまくるし、アレクサンダのインセクト・モードから人型と戦闘によってバシバシ変形して敵を翻弄しまくって、単純に「かっけええええええええええええええええ」と、劇場で観たらめっちゃテンションあがるじゃん!と劇場に行かなかったことを後悔しまくってしまったのだ。
それと、戦闘描写の音楽の使い方が上手い。普通盛り上げたかったら勢いのある音楽かければいいけど、ジャズが使われていてインセクト・モードと人型モードの戦闘のアヴァンギャルドさなんかを表現しているんじゃないかと思った。※音楽担当は橋本 一子というかたで、ジャズピアニスト出のようです。

劇場版について簡単に言うと、TVアニメ版のラブコメ要素をすべて取っ払いストーリーに重きを置いている。見せ場の戦闘は派手なんだけど、それはあくまでも機能としての戦闘であって、ストーリーを一番に大切にしている。そんな印象が強く残った。

そして第2章ですが、やっぱり劇場で鑑賞しているってこともあって、ストーリーもすんなり頭に入ってくる。もろにゲットーも出てくるし、共和政とレジスタンスってのも描かれていてTV版とは国が違うけど、TV版の世界観も壊していないのに好感がもてる。ただ、3人のイレブンの反乱部分は少し弱い。とくに、自作爆弾を作るくらい頭が良いはずなのに、反乱を企ててアキトに一杯食わされちゃった感はいかがなものかと。ただ、レイラがロケット発射場?に行くシーンでAKIRAっぽいバイク乗っていたのはかっこよかったですね。「ああ!AKIRAだ!」ってつぶやきそうになってしまいましたわ。

そして後半のゲリラ作戦シーンですが、宇宙空間の描写や地球を眺めるシーン、翼がばさっと広がるシーンとか良いシーンが盛りだくさんなんだけど、街に行ってからの戦闘シーンが凄まじ過ぎる。特に赤いナイトメアが襲ってくるシーンとかドキドキしたし、ギアスにかかって「死ねえええええええ」って少し幼稚臭いんだけど、インセクト・モードと人型モードの使い分けが上手過ぎて超かっちょいい。あのトリッキーに斬りつけたり飛んだり、身体をクイってしてよけながら攻撃に移る動作とか全部かっこいい。よける→斬る→はなれる→撃つ→飛ぶ→斬るとか一連の動作が全て意味があって、縦横無尽にナイトメアが動きまくってるのが単純に爽快感がある。この爽快感は去年の『ザ・レイド』に似ていましたね。『ザ・レイド』はシラットという武術を使っていましたが、ロボット版『ザ・レイド』みたいでたまらなかった。

それと、イレブン3人の戦い方も特色があっていい。特に自作爆弾野郎の遠距離攻撃とか有効に使えてかっこよかった。3章以降もこういう特色を生かして作品作りをしてほしいな。あと、アキトの兄貴のナイトメアもオーディンっぽくて超かっちょいい。あのオレンジの機体もいいし、一発一発の破壊力が凄まじい。これからあの機体をどうやって攻略するか気になるし、戦い方にバリュエーションが出せる。

そして最後になるが、スザクとルルーシュも少しだけだが登場する。これから3章になってどういった絡みになるかはわからないが、恐らくアキトとの戦闘はないだろうし、あまり期待しないでおいた方が良い気がする。ただ二人が登場するだけで、ぞわぞわっとするのは良いことだと思うし何せ嬉しい。笑

あと、タイムリーなので少し触れるけど、人々の苦悩〜ラストに凄い戦闘シーンというと『マン・オブ・スティール』を思い浮かべた。さすがにハリウッド資本のあの実写戦闘描写に比べたらひけをとるかもしれないが、アニメであそこまでやり込んだのは凄いと思うんだ。僕自身は、『マン・オブ〜』の戦闘描写より、こちらのロボット戦闘描写のほうが描き方が好きだな。今年は『劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影』、『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』とか見るも無惨な劇場アニメがあったりして残念な気分だったのでここまで爽快感があるアニメを観れたのが幸せだった。※今年は『花咲くいろはHOME SWEET HOME』という傑作もあったけど。

ということで長くなってしまったけど、とにかく傑作だったので是非劇場に観に行った方が良いと思う。