デタラメJAPAN!007ミックス感『ウルヴァリン:SAMURAI』※ネタバレあり

[あらすじ]
カナダで人目を避けるように暮らすウルヴァリンことローガン(ヒュー・ジャックマン)は、以前命を救ったことのある日本人実業家・矢志田からの願いで、彼の部下ユキオ(福島リラ)と共に日本へと向かう。不敵なまなざしを向ける矢志田の息子シンゲン(真田広之)に迎えられ、病身の矢志田と再会したローガンは彼から謎めいた言葉を告げられる。ほどなくして亡くなった矢志田の葬儀が執り行われるが、そこをギャングたちが襲撃。ローガンは矢志田の孫娘・マリコ(TAO)を連れ、その混乱から逃げ出すが……。(yahoo映画より)

[感想]
X-MENシリーズは日曜洋画劇場くらいでしかみたことがない不真面目さだったりしますが、マンゴールドが撮るってだけで『ウルヴァリン:SAMURAI』を観てきました。

ウルヴァリン (MARVEL)

ウルヴァリン (MARVEL)

原作ファンからすると、ウルヴァリンが日本に行っている当然らしいですが、まったくファンではないのでなんでジャパーンにいるんだろー?って不思議感MAXだった。まあ、そんな映画七不思議的なことにいちいち突っ込んでいたら映画なんて観れませんから華麗にスルーするとして、この映画かなり007あたりのデタラメジャパーン感がすごい。

・上野から新幹線に乗って移動してホテルに泊まったはずなのに、朝にはバスで長崎
・忍者がまったく隠れていない
・ヤクザのドヤドヤ感が仁義なき戦い
・新幹線の上でピコピコジャンプ!フェイント!
・浴衣×TAO×濡れ髪×上目遣い=セックス!(これはデタラメじゃない!真実だ!)
アウディで夜には東京到着
・日本のお風呂事情〜ばあちゃんたちに洗われるウルヴァリン
・日本を牛耳る一代企業感
・最終決戦どこぞの忍者村

と本当にいちいち突っ込んでいたらきりがないというのはこういうことを言う!ってくらい突っ込めるデタラメジャパーン感なんですが、抑えるところは抑えてはっちゃけるところははっちゃけるメリハリがあって個人的にはセーフだったラインです。わりと、外人の誤った日本オマージュ感が溢れていたし、「ガイジン、エイゴだめ」的なホテルの受付のおばちゃんとかも面白かった。特に決戦なんてテンションあがりまくりだったし、なによりもTAOに5億点って感じでしょうか。浴衣×濡れ髪×上目遣いとかウルヴァリンでなくても落ちますよ。

ストーリーの大筋としては『アイアンマン3』みたいな映画でした。トニースタークは『アベンジャーズ』で感じたスーツの無力さに不眠症・スーツ依存性となり、自らのアイデンティティが見失われていましたが、ウルヴァリンは自分の治癒能力を失い、ジーンを殺した罪に呪われ自らのアイデンティティを見失っていました。最後にそれを取り戻すってお話だから同じような話ですね。
それと、呪縛がすごい映画でもあった。ウルヴァリンはTAOと寝てもジーンを殺した罪に呪われているし、ヤシダは自分を生かしてくれたウルヴァリンに呪われているし、シンゲンはTAOに呪われているし、TAOはヤシダに呪われているし、ハラダはTAOに呪われている。呪縛連鎖でどいつもこいつも勝手なんだけど、最後はぴしっとしまったし楽しめた。

エンドロールで続編的な展開にもなりますから、最後まで席を立たずにお楽しみあれ!