AKIRA?童夢?いや、非リア充版クローバーフィールド?『Chronicle(クロニクル)』※ネタバレあり
先日『SHORT PEACE ショート・ピース』を観てから、ああ『AKIRA』も観たくなってきたなーなんて大友克洋に引きずられしまって…『クロニクル』は秘宝かなんかで町山氏が取り上げていたので覚えていて、全然公開しないからどうせなら買ってしまえとアマゾンでUKエクステンデット版を購入しました。(買ってから気づいたんですけど、来月から公開らしいですね。)
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内容ですが、普段町山氏との相性は悪いんですけど、いやはやこれは大傑作でした。手法としてはPOVなんですが、主人公がある日「生活の全てを記録していく」とドキュメンタリー風に進んでいくことから、『クローバーフィールド』やら『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のような作風です。(手持ちカメラやiPhoneやiPadを使ったりします)話の進み方もその手の作品と似たようになっています。
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冒頭で取り上げているように、この監督はものすごく大友克洋作品に影響を受けている。軟弱ないじめられっ子が超能力をもつって展開はまさに『AKIRA』そのものだし、ラストの超能力バトルは『童夢』そのものかのような展開。同じドキュメンタリー式としても『クローバーフィールド』は、怪獣映画に姿を隠して、離ればなれになる両思いのあいつらが〜的な比較的リア充(リア充の定義って何なのでしょうか…)が非日常に巻き込まれるストーリーですが、それに対して主人公アンドリューは親父から虐待受けてる上に、母親が寝たきり、何を狂ったか急にカメラで生活を撮りだしたり、いじめられっこだし、女の子にはモテない。そして、折角出来た親友からのチャンスで童貞卒業寸前のときに、なれない酒飲んでゲ○ゲ○〜(って展開は体験したことある人いるじゃない?)、そして自ら暴走して街を恐怖のどん底に突き落とすという…『クローバーフィールド』の対極にいるかのような作品です。
アンドリューが暴走し始めたってのは、アンドリューの父親の虐待が大きく作用されているように感じられます。アンドリューがお母さんの薬費用(アメリカでは医療保険制度がないので薬も高い)を集めるシーンでは、父親の消防服を着て犯罪をします。近所の悪ガキに一瞬で見破れるくらいで変装にもなっていないんですが、虐待による父親コンプレックスからあのような態度をとったんじゃないでしょうか。自分が「頂点捕食者だ」と話すシーンがありますが、どちらかというと父親化というか、親父を殺して自分は解放されたいとか、そんな風に感じました。それで、もうこんな世界なんてーーって全てを破壊しにいったのでしょう。
超能力を得るシーンが洞窟に入っていて、何か地球外生命体に触れるってシーンもアンドリューの内面を表しているように感じられたし、最後のチベットのシーンでもアンドリューが観たかった場所にいっている訳ですから、最後までアンドリューのコンプレックス克服までの〜日間的なお話だったんじゃないかなーと。
それとこのBDは、劇場公開版とエクステンデット版が含まれており、エクステンデット版は、編集一歩前という感じで大きな違いはありませんが細かく観ていくと、劇場公開版よりちょっとシーンが多いです。おっぱいも見えそうになる!!あと、特典映像でケイシーと幼馴染みのセックス後シーンなるものがあって、ギリギリおっぱいが見えない?いや、見えてる?ってところからも、これは童貞のアンドリューのお話だ!!と確信しました。
気づけば来月から2週間?だけ公開、しかも劇場が少ないらしいし…ってことでも、BD買ってよかったんじゃないかと思います。これで『AKIRA』『童夢』の実写化がどうなるかーと、揺るがすような作品だったんではないでしょうか。とても面白かったです。
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