『アシュラ』を観ました。※ネタバレあり

[あらすじ]
洪水やかんばつが相次ぎ、およそ10年もの長い期間続いた応仁の乱が勃発(ぼっぱつ)した1400年代の半ば。アシュラは荒野と化した京都でケダモノのように育ち、生き抜いていく。そんな中、優しい少女・若狭や法師の教えにより、言葉や笑うことを覚えたアシュラ。しかし天災が訪れ、人々は貧困によって追い詰められていき……。(yahoo映画より)

[感想]
原作は、1970年に発禁になっているらしいですね。原作は観ないでの感想ですが、面白かったし、結構涙こらえながら観たんです。
イオンシネマワンダーでやるべき映画じゃねえだろうって感じだったんですけど、観ているお客さん(1割も入っていなかったかな)も終わったらしばらく立てない人が多かったですね。と、言うくらい、何か考えさせれくれる力がある作品だと強く感じました。

導入部からかなりのパンチのある描写で、主人公アシュラの生まれるシーンからなんですが、みんな飢餓で苦しんでいて、人肉は食うわ、犬襲ってきても一撃で追い払うわで‥‥物語の暗黒っぷりが半端ないんですね。
というか、飢餓で苦しんでいた頃の日本はここまでの暗黒時代があったんだと、改めて今の自分は、幸せに生きているんだなーと実感しました。

そして、主人公アシュラが8歳になったころには、誰にも負けねえくらい強い。しょうがなく、人殺して人肉食って生きているわけですが、マジで強いです。
しかも、声優が野沢雅子さん!幼少の頃からドラゴンボールを愛読してたし、アニメはビデオがすり切れるくらい観た僕としては、最初の一音から、野沢さんっ!とテンションがあがった訳です。
そんな訳で、国民的(今はルフィになるのかな‥‥)ヒーロー?の悟空とアシュラを重ねてしまいました。(頭を強くぶつける前の純粋なサイヤ人の悟空じゃねえ?って思ったくらい。)
野沢さんが声優だったらと安心して観てられました。泣きの演技とか素晴らしいものがありましたね。

只、アニメとか漫画の代表的な例として、坊さんが異常に武闘派って言う設定が、個人的にはノイズになってしまいました。
別の方法で表現すればいいのにとか少し思ったんだけど、ちょっと強過ぎじゃねえ?最後にもう一回アシュラと合うシーンの坊さんは、やべえと思ったけど、いくらなんでも強過ぎだよな‥‥

まあ、ノイズと言っても、気にならなきゃならないんでしょうけど、一番僕が納得できないのは若狭ですね。
最初は、良心だかなんだか知らないけど、いいキャラぶっといて、あの仕打ち!
これは、おおいに僕の見方が悪い気がしますが、「もっと、アシュラの気持ち判ってやれよ!!」と心から叫んでいました。
そりゃあ、恋人がいきなり襲われたんじゃ、説教するくらいはありだと思うけど、どん引きして、人でなしってお前‥‥
あの反応から言って、明らかにアシュラを助けたのを後悔してるし、あんまり安っぽい言葉使いたくないけど、その前の行動は”偽善”の塊じゃないですか。
判ってやれよ!フザケンナ!コノヤロウ!

と、久しぶりにアニメキャラに、本気で怒りを感じてしまいましたが、色々考える事も多く、すごく良い作品だと思います。

評価点:71点