『ヴァンパイア』を見ました。※ネタバレあり

気色悪さと、芸術っぽさのアンニュイ感じ。

[あらすじ]
高校教師のサイモン(ケヴィン・ゼガーズ)は、アルツハイマーの母親(アマンダ・プラマー)と一緒に暮らしている。ある日、彼はウェブサイト上で、一緒に自殺してくれる仲間を探している人々が集まる自殺サイトを見ていた。サイモンは、そのサイトで血をくれる人を探していた。そんな彼は、自殺を志願する人々から“ブラッドスティーラー”や“ヴァンパイア”と呼ばれていて……。

[感想]
渋谷のシネマライズにて鑑賞。初めてシネマライズで観ましたが、一階席首痛い。映画館といより劇場って感じがする‥‥

さてさて、岩井俊二監督の新作です。岩井監督作品は、『リリイ・シュシュのすべて』('01)くらいしか観た事なくて、観た事ないけど『花とアリス』『四月物語』の蒼井優松たか子とか岩井監督の女優チョイスがピンとこない僕的には凄くどうでもいい監督の一人だったりするんだけど、タイトル『ヴァンパイア』かーなんか知らないけど、かっこいいなー。最近のヴァンパイアブームっぽい映画撮る訳ないしとか思いながら、鑑賞。

冒頭女の子が、高速おりたすぐそばの何もない、只だだっぴろい場所的なところで、ど真ん中に映ってるショットから始まると、「ああ、なんかこのショットから始まると、多分寝るな‥‥」俺って思ったんだけど意外と最後まで起きていられました。

最後まで起きていられたし、そこそこおっ!っと思うシーンもあったりしたんだけど、やっぱり基本的に気色悪い映画撮りますねこの人は。
別にグロいとかじゃないけど、生理的に気色悪い。なんか芸術ぽい雰囲気の近づきがたさというか、明らかに自分とは対極の場所にいそうな考え方の人なんだろうなと思ってしまった。
リリイ・シュシュのすべて』でも感じたんだけど、あんまり映画観てるというより、文学的というか詩的な人だなと感じがする。

悪くなかったなーと思ったシーンは、それまで自殺願望者を血を奪って殺していたサイモンが、金髪の女の子を殺そうとしたときに思いとどまったシーン。
人を殺すのはまずいと、自殺を思いとどまらせるべきだと、当たり前の事を初めて身にしみて感じたいいシーンだったと思います。
それと、最後のおかあさんが落下してくるシーンにはちょっと、のけぞるように観てしまいました。全然関係ない映画だけど、カネフスキーの『動くな、死ね、甦れ!』('89)のラストシーンをなんとなく思い浮かべてしまいました。
それ以外だと、”白い風船”が良かったですね。アルベール・ラモリスの『赤い風船』('56)の少年ばっかり思い浮かべてた。笑

総括すると、思ったより悪くなかったけど、個人的にはどうでも良かったって感じかな。(じゃあ観に行くなって話だけど‥‥)
おしゃれっぽいし、リリイとか好きな人にはおすすめじゃないかな。

評価点:47点