ジャンル映画を超えた傑作!『インシディアス 第二章』と『V/H/S ネクストレベル』※ネタバレあり

映画として優れている!これは映画史に残る傑作映画だ!と感じる映画を観た時は衝撃を覚えるし、勉強にもなるなーと思うが、それに対して、別に映画史に残る訳じゃねーけど、これ大好きだよ!これが観たかった!と、自分の記憶に残る映画が毎年1作品出ればいいと常々思っている。しかし、今年は1月からビックリ!既に『インシディアス 第二章』と『V/H/S ネクストレベル』の2作品に出会ってしまったのだ。

インシディアス 第二章』は、ご存知『インシディアス』の続編である。先日劇場でビックリしたのが、映画のオープニングからしばらく経つと「Chapter 2」と写しだされる。その際に横にいたグループの一人が、「えっ!?なんで2なの?ねえ?ねえ?」と騒ぎ始めてしまったのだ。「お前第二章も読めなかったんかよ。」といちいち騒ぐなと思っていたが、そのグループは映画マナーも最後まで悪く心底嫌気がさした。。なーんて件はさておいて映画そのものは傑作!そのもの。

まずオープニングから、夜をバックに下から見上げるように撮る洋館のカット。この時点で、「インシディアス2始まるよー!」と大号令をかけられたように錯覚する。そして、物語がスタートしたと思いきや、リアルタイムではなくジョシュが子どものころ取り憑かれた過去の話から始まる。
前作で自分の息子を助けたと思いきや、逆に自分に取り憑かれエリーズを殺してしまったことで終わっていたので、何故取り憑かれてしまったのかを解く鍵となる話なのである。そこから物語は、新しい霊能力者を雇い、ジョシュに取り憑いているものをなんとか引き離す展開になっていくのだが、そこからトリッキーな展開の連続。実は前作で、悪霊側が行っていたと思っていた行為が主人公側が過去の世界にタイムトラベルして、悪霊側から自分たちを守る為にしていた行為だったりしたり、キーとなる悪霊の家に行ったときには、過去のシーンとの切り返しを行ったりと、とても変則的な作りをしている。
そして、「そこに扉あるよ!」と言わんばかりの赤い扉に、こんな糸電話の使い方があったのか!と糸電話について、僕達は真剣に考えなければならないと考え込むようなシーンの連続。
僕らに期待のものを見せてくれるサービス精神がタップリだし、トリッキーな編集にフェティッシュなアイテムと観客をビックリさせよう、それ以上のものを見せてやる!という心意気が伝わってくる。

正直ホラー映画か?と言われると、お化け屋敷、幽体離脱、殺人事件、タイムトラベルと様々な要素がごった煮になっているので楽しいが怖くはない。しかし僕は、ある人との再会シーンでは涙腺が緩んだし、ラストの糸電話の使い方に至ってはマジで泣いた。訳の分からない映画になっているが、観客を驚かそう・楽しませようというサービス精神がたっぷりであり、ジャンル映画の先に進んでいるなと感じた。


そして、最近観た映画の中この映画と似たような印象を持ったのが、『V/H/S ネクストレベル』だ。

『V/H/S ネクストレベル』は主軸となる一本のストーリーの他に、四本のビデオ映像を主人公が観るという形で展開されていく。正直主軸となるストーリーについては、殆どおまけのようなものなので、「こんなお話になるのだろうなー」なんて予想がつくが、その主人公が観る四本のビデオ映像が凄過ぎる。

一本目は、主人公の眼に記録装置を植え付け24時間主人公の行動を観るようなお話。ここでポイントなのが、POVで撮る事によって、「眼POV」という疑似体験が出来る。主人公が眼をぱちくりすれば、シャッターが降りるし、ちょっとノイズが走れば、ざらざらとした映像となる。それに幽霊が登場するシーンは本当に自分も幽霊に遭遇してしまった気分になるし、なかなか面白い作品。
二本目は、主人公がゾンビになるというお話で、これは皆がお待ちかねの人間を喰らうシーンが堪能出来る!「ゾンビPOVだ!」これこそサービス精神の塊だし、ラストで主人公が彼女の声を聞いて自殺するのはちょっぴり泣けてしまった。笑
三本目は、カルト集団のお話であるが、これがジャンルごった煮でカルト集団が自殺するわ、自殺して生き返る(ゾンビ化)して主人公たち襲うわ、一人は妊娠して化け物が登場するわとめちゃくちゃな展開になっている。ラストカットの主人公の後ろに化け物がいるシーンでは、思わず化け物可愛い!!と思ってしまった。笑 ちなみに僕はこのお話が一番好みかな。
そして四本目は宇宙人襲来(笑)。白くて人間が間延びしたような気持ち悪い宇宙人に、ノイズだらけの轟音とフラッシュの連続。轟音が物語を牽引していて、これまた面白い作品となっていた。

正直、先に書いた『インシディアス 第二章』も、この『V/H/S ネクストレベル』も一つのジャンルとしては、成立していなくて、様々な要素がたっぷり過ぎてホラー映画だけど怖くない。だけれどもネクストレベルに進んだ作品だと思うし、自己満足で終わっていなくて観客をビックリさせる・楽しめることに重きを置いているので、僕は非常に好感が持てたし、今年のベストに入ってしまうのではないかと予想している。

特に後者は警戒して観たものの予想以上にぶっ飛んだ作品となっているので、人を選びそうですが、この手の映画好きよって人には是非オススメしたい作品です。どちらも最高でした!

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