ビール片手に劇場へ『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』※ネタバレあり

一昨年の『ベルフラワー』でのシアターNみたいに無料でビール配ってればサイコー!(レゴ風)だったのに!と感じた『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』のお話。

「まったくみんなエドガー・ライトすっきやな!」と思った土曜日。東京では満席で座れないどころか暴動まで発展しそうだったとかそうじゃなかったとか。名古屋は安定のガラガラっぷり!と思ったら、案外混んでた。僕が見た回はセンチュリーシネマのシアター2だったんですけど、9割くらい埋まってたんじゃないだろうか。東京からしたら信じられないだろうけど、名古屋は人気作品でも滅多に座れないことはない。それに、街が狭いから映画館が密接しており、1日3〜4本は余裕でまわれる環境にある。

まあ無駄話はここまでとして、ワールズ・エンド面白かったですよ。エドガーライトの映画全体的に言えるけど、後を引きずる快楽というより、その場の一瞬一瞬の快楽の積み重ね。それを今作でも見せてくれたんじゃないかなーと思う。

話としては凄く馬鹿馬鹿しくて、青年の頃パプのハシゴを失敗した主人公が、おっさんになって当時の仲間を集め再度パブのハシゴをするという話。仲間を集めるくだりってのは、ドラゴンクエストやらファイナルファンタジーやらでも大層に語られますが、当時の飲み仲間を集めるというアホっぷりなんですね。それが、何故か街全体が宇宙人に侵略されていて、カーペンターの『ゼイリブ』っぽい事態に転じてくる。

単に酔っぱらいの話かと思っていたら突如アクションが始まったので、ちょっと戸惑いましたね。ただ、アクションも凄く面白い。それから、眼と口が光るロボット。カーペンターの『光る眼』のオマージュが入っている。本物か偽物かは『遊星からの物体X』だったし、カーペンターオマージュがアイテムだけでなくエドガーライトの血や肉となっている感じたした。

ちょっとばかばかしいんだけど、ロボットが追ってくるシーンとかカーペンター映画の感覚に近いのかな〜って思った。ロボットの目的は世界規模で見ると正解を選んでいるのかも知れないというアホだけど、意外と真剣なテーマが内包されています。「世界規模から見れば〜」というのは「まどマギ」に置けるキュゥべえと同じ理論ですねー。この間の「ガメラ3」「アクト・オブ・キリング」でも書いたように「誰からみたら正義なの?」ってのも入っている。

それと始めに書いたけど、一瞬一瞬の快楽の積み重ねが素晴らしい。例えば、ビールを5人分組んでるときに、「ビール!ビール!ビール!ビール!ウォーター!!」とギャグパートをいいテンポで入れてくる。ビールが飲みたくても飲めないアクションシーンや顔や腕が取れて青色の液体が飛び散る瞬間。それと、この監督の十八番のサイモン・ペグとニック・フロストの絡み。全ての要素がコメディに昇華される手腕。

コメディ映画じゃなくても面白い映画撮れるんじゃねーかなと思わせる映画だったと思います。さあビール片手に劇場へ!

ゼイリブ [DVD]

ゼイリブ [DVD]