『八日目の蝉』を観ました。(DVD)

あらすじ:子どもを身ごもるも、相手が結婚していたために出産をあきらめるしかない希和子(永作博美)は、ちょうど同じころに生まれた男の妻の赤ん坊を誘拐して逃亡する。しかし、二人の母娘としての幸せな暮らしは4年で終わる。さらに数年後、本当の両親にわだかまりを感じながら成長した恵理菜(井上真央)は大学生になり、家庭を持つ男の子どもを妊娠してしまう。(yahoo映画より抜粋)

感想:本年度日本アカデミー賞最優秀賞受賞作含め10冠に輝いた作品。本場アカデミー賞も期待していないから、日本アカデミー賞なんて興味もなかったけど、あまりに無双だったので鑑賞することに。正直、ストーリー的に好きじゃない臭がプンプンしましたけど、そこそこ観れました。
まず、この作品は、”男”があまり出てきません。子を生めなくなった女が、不倫相手の子供を盗むとあって女側から見た男、夫と井上真央の不倫相手”劇団ひとり”の二人くらいしかまともな”男”が出ない。しかも、現実から逃げようとするしょうもない男しか描かれていないのです。妊娠が発覚した井上真央が、劇団ひとりと会う最後の夜に、もし子供が出来ていたらと話すと「お父さんと同じこといってる」と、二人の人物がいながら、一人の男しか描いていないのです。これがあんまり納得いかなくて、4歳までは、誘拐されたにしろその後20年間生きていて、他の男を知らないってのがね。いくら外部との距離を置いても少し極端すぎるなと感じました。まあ、井上真央永作博美の二人を魅力的に描くには、このくらいで丁度良いのかもしれませんね。
誘拐されている過去と小池栄子と過去を振り返る未来の交互に映した表現は、中々良かったと思いますが、誘拐っていう犯罪を綺麗に描きすぎてると感じました。原作は読んでないので知らないですが、もう少し、賛否両論出るくらいに汚く描いても良かったんじゃないでしょうか。個人的には、置きにいったと思ったな。それと、細かく言えば、最初に家に侵入する際に、窓に鍵を閉めておけよとか、赤ちゃん置きっぱなしにしてんじゃねーよとか、小池栄子の役で現実にいたら友達になりたくねーよとか突っ込みどころは多かったけど、思ったより悪くなかった。でも、これを”泣けます”って言っちゃうのは残念なんだよな〜。多分、泣きやすいように描いてるんだと思うけど、個人的には”犯罪”なので冷静になって見てしまったし、最後まで見れたけど、このストーリーを肯定しちゃうのは間違っている気がするしね〜。
しかし、井上真央は綺麗になりましたね。正直キッズウォーしか記憶ないけど、良い女優さんになってほしいね。
評価点:53点