『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』

あらすじ:ある日、鳳学園高等部に男装の女生徒・天上ウテナが転入してきた。ウテナはそこで2年前に別れた桐生冬芽と再会する。ウテナは桐生と謎の指輪“薔薇の刻印”により空中庭園の薔薇園に導かれ、理事長の妹である長髪褐色の“薔薇の花嫁”姫宮アンシーと出会う。そしてウテナは、まともに武器も持たぬまま、デュエリストのひとり・西園寺との決闘ゲームに巻き込まれてしまう……。

感想:97年にTVで放送していた『少女革命ウテナ』の劇場版アドゥレセンス黙示録。(99年)TV版とは違う世界(パラレルワールド)として描かれているが、僕的は劇場晩はTV版の続きになるものとして捉えている。TV版のラストでアンシーがウテナを求め外の世界にいったように、劇場版はアンシーがウテナを求めた作品だと思う。劇場版のカーチェイスシーンは、ウテナカーをアンシーが運転し、学園を出て外の世界(自由・大人)へ旅発つ。劇場版では、ウテナ&アンシー二人一緒で学園を出るという、最高のハッピーエンドなのだ。TV版のラストより奇抜な演出をしたせいか、賛否両論を生んでいるが個人的には80%は肯定する。ファン補正・思い出補正がかかってるかもしれないけど。後の20%は、TV版を超えられなかったという減点。(まあ、TV版を超えるのは無理だろう)
ラストシーンばかり語っていたが、劇場版はその他の演出が優れていると思う。涙なしで語れないのが、根室記念館の昇降機シーンだ。前半の冬芽登場シーンから、ウテナが追っても中々追いつけず、何か人でないような気持ち悪さを感じさせられた。その演出がぐっと昇降機シーンで活きてくる。「小さい頃に川で溺れた女の子を助けて‥‥」と始まるのである、TV版よりも劇場版の方が冬芽ファンが多いのが頷けるエピソードである。そして「僕の王子様だったんだね‥‥」とウテナが‥‥。(BGMが「光さす庭」ってのもずるい)
もう一つ挙げるなら、アンシーとウテナのダンスシーンだろう。あそこで流れる挿入歌が、奥井雅美の『時に愛は』である。「This rose is our destiny 導かれ 二人は今 もう一度出会う どんな時もあの約束 忘れないで やっとここまで来たよ」この歌詞から、アンシーがウテナを探してここまで来たと言う、強い愛を感じる。また、それにも増して水面に移る二人が踊るシーンは物凄く美しい。このダンスシーンと冬芽のエピソードだけでおなか一杯なのだ。ラストで賛否両論が生まれようが、このシーン良かったから言う事ないじゃん。と、言いたくなる。
恐らく生涯で一つアニメを選べと言われたら『少女革命ウテナ』とはっきり言えるほど、ウテナはかっこ良くて、美しかった。それと、川上とも子さんのウテナだからこそ、力強く、カッコいいウテナを演じれたし、ここまでファンに愛されなかっただろう。もうウテナの声は聴けないけど、大勢の人々の思い出に残っていき語られるだろう。