タマゴハセカイダ、セカイヲハカイシ、カクメイセヨ『ピンクスパイダー』と『アドゥレセンス黙示録』
先日『hide 50th anniversary FILM「JUNK STORY」』を鑑賞してきた。hideさんが音楽に興味を持ち始めた頃のエピソードから昨年I.N.Aによって作られた『子 ギャル』のエピソードまで。それと、彼にゆかりのあった人たちのインタビューで構成されており、もちろんhideさんの映像は今まで見たことある映像の連なりでしかないのですが、ひとつひとつのエピソードが丁寧に取り上げられており、hideさん入門編といった内容だったんだけど、いやあ、涙腺弱くなったよね。思い出すからこういった映画や普段のイベントごとを避けてきたんだけど、いやあ、17年ですか。長かったのやら、短かったのやら、でも17年だ…
映画のエピソードのなかでも、印象深いのは久々に聴いた『ピンクスパイダー』。『ピンクスパイダー』が彼のその前までの作品群とは違い物語性を持った曲だったため、「元ネタあるの?」(JOEだったかな)と聞かれて、「自分のことだよ」と語ったらしい。前作の『ROCKET DIVE』も、Xの解散が決まり、ファンのに向けられたメッセージ性が強く、彼にしては珍しい曲だった。そして、自分のことと語る『ピンクスパイダー』。歌詞だけ見ると、一匹の蜘蛛が雲に憧れて、蜘蛛から雲になってしまう物語。ようは、今いるところから飛び立っていきたい、強い意志や憧れの詰まった曲だ。しかしながら、憧れた雲になれたけど、それも空という構成物のひとつにしか過ぎなかったと語っている。
抜け出して憧れた舞台に立ってみたものの実はそこにも囲いが存在していた。自己啓発的にカッコよく言ってしまえば、「成長するには、何度も繰り返し自分の殻を破っていくんだ」ってことなのかもしれない。自らの殻を破っていくこと。これはアニメから引用すると、『ウテナ』で、こんな言葉がある。
「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでいく。我らが雛だ。卵は世界だ。世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく。世界の殻を破壊せよ。世界を革命する為に」
ヘッセの『デミアン』を引用(少し言葉は違う)して作品のテーマを語っている。また、劇場版の『アドゥレセンス黙示録』では、ストレートにそのメッセージを学園から脱出したウテナとアンシーが裸(生まれたままの姿)で語っている。
ウテナ:ねえ、これから僕たちの行くところは道のない世界なんだ。そこで、やっぱり僕たちはダメになるかもしれない。
アンシー:ウテナ、私わかったの。私たちはもともとその外の世界で生まれたんだわ。
ウテナ:じゃあ僕たちは、もといた故郷に帰るんだね。
ウテナ:僕もわかったよどうして君が僕をもとめ、僕が君をこばなかったかが。僕たちは、王子様を死なせた共犯者だったんだね。
影絵少女:そうよ。外の世界に道はないけど、新しい道を作ることはできるのよね。
ウテナ:だから僕らは行かなくちゃ僕らが進めばそれだけセカイが広がる。きっと
彼女たちの行く先には新たな城が待ち構えている。これは何度も繰り返して殻を破っていかなければならない。と言ったようなメッセージなのかもしれない。ただ、そのあと真っ青な空に切り替わるので、また別の道を切り開いているかもしれない。道は自分が作れるんだと…
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