なぜ「月光条例」は面白くならないのか?

 夏の終わり、新しい仮面ライダーが始まりました。巷では、そのだささ故につまらない。を想定してましたが、これが面白い。まだ、二話なので何とも言えませんが、中々ですよこれは。オーズみたいに綺麗に最終回が迎えられればいいね。シュタインズゲートは、世界線を超えるたびにまどっちに牙を向き、、今期の王者につこうとしているのか!と。凄いですよあのアニメ。原作やっていない僕が、こんなにも熱くなれる。素晴らしいですな〜。それにピングドラム9話。動きましたよ、本気を垣間みたねー。これからも楽しみ。

 何やら面白い話題から入りましたが、ここ数年考えている事があります。それは、、、なぜ藤田和日郎の「月光条例」は面白くならないのか??藤田和日郎と言えば、うしおととらからくりサーカスの代表的な長編作品に加え、スプリンガルド邪眼は月輪に飛ぶなど素晴らしい短〜中編をかける漫画家。彼の描くお話は、どれも熱く、感動的であり、心に突き刺さります。その藤田和日郎が世界童話を描く。「藤田和日郎×世界童話」ここまで胸が熱くなるなんて事は、ないだろう。とファンの方々は思ったはず!‥‥
 それにも関わらず、連載が始まっても、何か消化不良‥‥、何かいつもと違う。しかし、いつかは面白くなるだろうと、惰性で読み続けていた僕ですが、10巻超えても違う。何か違和感を感じるのです。なんだろうと、考えてみました。一つに考えられるのは、藤田和日郎長編3作目という事もあり、好き勝手にやってるとは言わないけど、やりたい事をやりすぎてるんじゃないのか?まあしかし、からくり時代も風呂敷を広げまくって、ギリギリに回収する彼のことなので、いつも通りなのでしょう。。もう一つは、「人が死なない」というところ。設定が藤田和日郎とあっていないんじゃないか?
 これまでは、例えばからくりサーカスのフランシーヌ人形のべろべろばあのシーン。ギイのラストシーン。号泣しながらページをめくっていたのを今でも思い出します。

藤田和日郎の作品は、「キャラが生命をかけて(燃やして)戦う」というのが、非常に多くの人の心をつかんでいたと思います。しかし、今回の月光条例は、おとぎ話を修復する事で人や町も全て元通り。命もくそもなにもあったもんじゃない。ワンピースで言えば、エースが戦争編終わったら生き返っちゃう!そんなレベル。世界童話に完璧に飲み込まれている。これまでのうしとら、からくりならそこを抜け出せたはず。。

しかしまー。13巻の帯で、「20年後、藤田和日郎が 見つけたひとつの答えが、 ここに。」

「マッチ売りの少女」の結末が気に入らなかった。
なんでかわいそうな女の子が、かわいそうなコトに
なっちまうんだよ!!

と、自分自身の答えを漫画でやってのけた訳で、さすがに帯では少しぐっときました。

ここまでぼろくそに描いたけど、まだまだ心の何処かで応援しているので、とっとと打ち切って面白い作品を描いてほしい。そんな願いです。