カーカス!CARCASS!carcass!Carcass!どう表記してもかっこいい!『SURGICAL STEEL/サージカル・スティール』

リヴァプールの残虐王と呼ばれ、ゴア/グライド/デス/と様々なメタルのサブジャンルに影響を与えていたカリスマ・バンド カーカスの17年ぶりの新譜『SURGICAL STEEL』が産み落とされた。カーカスと言えば思い入れが強い人がたくさんいて、TwitterのTLもカーカス祭のようになっていました…

サージカル・スティール

サージカル・スティール

そしてその『SURGICAL STEEL』国内版発売日と同時に、LOUD PARK13出演決定!!

これは、これは…もうカーカス祭じゃ!!!と言わんばかりのTLの荒れよう。僕も手に入った瞬間は、カーカスタワーを作ってしまった。

※トップに降臨するカーカス!!カーカスの下は全て屍じゃ!!


最初に断言しておくと、今年のカルト・ミュージックは本作で決定ですね。17年のブランクからは考えられないくらいアルバムの完成度が凄まじい。アモットが抜けて、ガンガン泣くギターソロ・メロはないのですが、ビルのへんてこなリフとギターソロ(これも素晴らしい!)が展開されていき、ジェフのエグい吐き捨て型グロウルに、ダンの完璧なドラミング!素晴らしいとしかいいようがない。もちろんケンのドラムだって好きですが、今回の硬質なサウンドプロダクションではダンのようにきっちり叩くドラマーが必要でしょう。2nd以前からは考えられないようなカチっとしたタイトなカーカスがここにはいます。

全体的な印象としては、3rdを思いっきりストレートな作風にした感じ。やっぱりハートワークで培ったメロも混入されていくし、スワンソングのようなデスロール風な曲もさりげなくあったりして、そこに近年のデスメタルデスラッシュあたりが解け合ったような作品になってる。
特に、#1→#2→#3の流れがお見事!初聴時の衝撃はものすごいものだった!#1で17年間の思いをツインリードハーモニーで表現、これから解き放たれる!!感を実感し#2のカーカス史上一番スラッシーリフ(ライナーノーツの奥野さんの言葉から拝借)で攻めまくり#3への繋ぎは今年というか10(テン)年代最高の繋ぎが披露されメロディックデスメタル調に進んでいく!
この三曲だけて天井ぶち破るくらい素晴らしいのに、その後はキラーソングは少ないが、スワンソングっぽいロック調の曲やメロディックなギターソロが展開され#10は先行で公開になってた監禁ネジネジ銃が披露される!(なんて邦題だ!)

もうカーカスと言えば、邦題が素晴らしくて今回も#1スラッシャー食肉処理場#3バラバラ死体梱包運搬システム#7ぶつぶつ悪魔の製粉所など、狂いまくった邦題が素晴らしい!

ただし、1st&2ndファン(僕もそうなんだけど)からはぐちゃぐちゃじゃないだとか、3rdファンからは複雑じゃない!とか4thファンからはマイケルアモットがいない!泣きがない!とか言われるだろうが、そんなことはしょうがないのである。カーカスは作品ごとに姿形を変えてきたバンドだし、今のすべてをつぎ込んだ全力全開なアルバムである。でも、確かにもう少しキラーソングが2曲くらいあるばな…なんて気もしないでもあるが、100億点あげているうちのせいぜい20点程度のことだ!宇多丸さんも『パシフィック・リム』評で同じようなこと言ってたな…
とにかく、今年リリースされた数多くのメタルミュージックのなかでも最も優れたアルバムだと思うし、17年のブランクでこの完成度は鳥肌たちっぱなしだ。

そして、10月19日にはビルに会える!前回08年に参加できなかった身としては、必ず前線でビルを拝みたいと思う!最高のパフォーマンスを是非!!