2016年音楽ベスト15選

今年もベストの前に何を買ったのかよく覚えていないところから始まるのですが、音源と顔をつけあわせながら記憶を辿りよせて選出。昨年は旧作含めウォーブラックなどの凶悪な音楽を色々とピックしていたのですが、今年はその反動かブラックメタルは古いの入れても数枚しか買わなかったんじゃないだろうか。その代りブルータルなハードコアとかぐりぐりと買っていた感じでしたね。っていうことでベスト15順不同で。bandcampがあるバンドはリンク貼っています。「追記:数えたら16枚あった」

  • sekien 『sekien』


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姫路産ネオクラスト・ハードコアバンドsekienの1st。今年1stをリリースして今年の12月17日京都ソクラテスでラストライヴとなったわけですが、ラストもすさまじい熱量だった。確かにクラストが軸として激情なりのメロディがDビートに乗っかるわけですが、彼らのライヴを見ているとこちらまで燃え尽きてしまいそうなアツいアツいハードコアなんだなと感じる。言葉はいらねえ、なんも言えねえ、という思考停止に陥った作品の1つです。今年のナンバーワン。

  • Sarabante 『Poisonous Legacy』

Poisonous Legacy [Analog]

Poisonous Legacy [Analog]

Poisonous Legacy | Sarabante
ギリシャ産ネオクラストsarabanteの5年ぶり2nd。前作は割とメロディアスに激走するイメージがあったんだけど、2ndは重々しくネガティヴなサウンドをまき散らしていた。メロディアスっちゃメロディアスだけど激シヴ。キャッチーさなんていらねえぜこの野郎といったところで、ベテランが確立したサウンドに酔いしれる。

  • SECOND TO NONE 『Bab-Ilu』


大ベテラン220の待望1stフル!メタリック・ハードコアが軸としてあるんだろうけど、デスメタル、スラッジ、ドゥーム、まで取り込みすべては地獄へと昇華していく……あまりにも地獄絵図なアルバムなので一度聴くと疲れが何日間は続いていくが癖になる。地獄からフックの効いたリフで更に地獄へいざなう。これぞ地獄めぐり!!

  • FRIENDSHIP 『EP2』


千葉県暗黒ブルータルハードコアの今年でた2枚のうちの1枚。なんだろうか今世紀といか近年のドス黒いハードコアを鳴らすバンドの極地じゃないだろうか。暗黒でブルータルかつヴァイオレンスな殺しの音楽。向こう10年を過去のモノにして手中に納めるというか……、やってることは多分めちゃんこあたらしいサウンドではないんだろうが、極端な音しているんだよね。わりとニュースクール好きにもハマる極悪なサウンドじゃないだろうか。

  • VERTRAFT 『BSSJHC Conf.01』


BLANKS | VERTRAFT
東京のカオティックハードコアバンドEP。これがトンデモナイ代物でびっくりした。FRIENDSHIPが「向こう10年を過去のモノに〜」っていったのならVERTRAFTは過去の記憶と密接に絡まり、聞く人にとってはカオティックや激情やネオクラストだったりブラッケンドなモノに聞こえるんじゃないかな。すごくかっこいいです。ハードコアだハードコア(テキトー〆

  • Oathbreaker 『Rheia』

RHEIA

RHEIA

Rheia | Oathbreaker
Deathwishの真打じゃないだろうか。ベルギー産ブラッケンドハードコアOathbreakerの3rd。本作ホントにひと回りもふた回りもバンドとしてでかくなっていて、DeathwishといえばDEAFHEAVEN!なんて思考がぶっ飛んでいくようなサウンドなんだよね。ボーカルのありかたというか、Neige以降のポストブラックメタルというかAmesoeursっぽい気もしたんだけど、これまた違う感覚が残るんだな。いやあ、すごい作品だと思う。

RESONANCE OF SHADOWS

RESONANCE OF SHADOWS

名古屋ドゥーム/ストーナーロックのETERNAL EYSIUM 6thアルバム。FLOWER TRAVELLIN' BANDのカバーやライヴですでに披露されている曲が多いので衝撃的なものはないんだけど、ヘヴィなのにとても心地がいい。聴きやすくて耳になじみ、いつの間にか過去の日々を思い出していくような記憶のサウンド。んーホント好きなバンドだなあ。

  • Anaal Nathrakh 『The Whole of the Law』

Whole of the Law

Whole of the Law

The Whole of the Law | Anaal Nathrakh
ご存じブルータル、ブラック、グラインド、インダストリアル、、、エクストリームミュージックの頂点を駆け抜けるアナ―ル・ナスラックの9th。前作も前々作もよかったのですが、私的ベストの『In the Constellation of the Black Widow』以降で一番好きかもしれない。ブラックとグラインドとインダストリアルの割合がいいバランスで成り立っている。なんといってもブルータルながらキャッチーなサウンドが魅力ですよねアナ―ルって。

  • INFERNAL CURSE『APOCALIPSIS』

Apocalipsis

Apocalipsis

Infernal Curse - Apocalipsis | Iron Bonehead Productions
昨年はポチポチこの手の凶悪なブラックメタルを買っていたのですが、今年は年明けくらいだったかobliterationでこれを買ってしまって結構満足してしまっていた。最近『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイド』が発売され、ベストを決めると共に聞き直していたのだけど暴力的なサウンドでやっぱりサイコー!このあたりの音楽がやっと体系化されるような本が発売されてよかったなと思う。パワーヴァイオレンス版も出してくれ!

  • MORIBUND PUNISHMENT 『Killer Dynamite』


今年のパワーヴァイオレンス・ナンバーワン!大阪のパワーヴァイオレンス・デュオの20曲入り7インチ!とにかく速さは正義であり、速さは絶対無敵だ。ツインボーカルによって音がつながれ、フックのあるリフそして爆裂するドラム。これぞパワーヴァイオレンスの真骨頂といったスーパーヴァイオレンスサウンド!ライヴ見てえ(来年やる噂)

  • SEX PRISONER 『Tannhauser Gate』

Tannhauser Gate [Analog]

Tannhauser Gate [Analog]

アメリカはアリゾナ産パワーヴァイオレンスの1st。弦楽器隊はとてもヘヴィ。音がビリビリとノイズになって迫ってくるサウンド。スローパートはとてもノリがあり、ライヴでモッシュが広がる光景が見えてくる。さいきんのムーブメントであるブルータル×パワーヴァイオレンスの極地であり、近年のトレンドが探れるんじゃないだろうか。要約するとハードコアだー(当たり前)!

  • GOD'S AMERICA 『Merge With The Infinite』

Merge With the Infinite - Worthless in Death [Analog]

Merge With the Infinite - Worthless in Death [Analog]

アメリカのラスベガス!(バブリー感)からやってきたブルータル・パワーヴァイオレンスバンドの1st!INFESTタイプと絶叫型のツインボーカルスタイル。SEX PRISONERの1stも素晴らしくて現代パワーヴァイオレンスのトレンドだと思いましたが、こちらはパワーヴァイオレンス地獄(歴史)めぐりといったところだろうか。ファストもヴァイオレンスもあればヘヴィネスでスラッジ〜ドゥーム〜ブルータルに不協和音!、といったパワーヴァイオレンス史的なのがギッシリ詰め込まれている感じがした。これもライヴで見たらヤバそうだな。


東京のブルータルハードコアバンドの1stフル。やっぱりFiOとかFRIENDSHIPなんかもそうだけど、ブルータルなハードコアってのが関東ではムーブメントになっているんだか次々にかっこいいバンド出てきますね。そいやFiO、ELMO、FRIENDSHIPは来年アルバム出すらしいし、なんかもすごいことになっているなって思う。そんな中、Shut your mouthはニュースクールからの影響がかなり強いんだろうな。Dビートでガツガツ疾走しながらも、ゴリゴリのビートダウンモッシュパートを見せたりたいへんヴァイオレンスでいいです。

  • Splitknuckle 『Ignorance Breeds』


Ignorance Breeds | Rage
イギリスのメタリックハードコアの1st?アルバム。バンドキャンプの荒波にのまれていたのちに発見したハードコア。ビートダウン、ニュースクールハードコアはそこまで知見がないのですが、メロディはキャッチーだしボーカルはかっこいいしビートダウン〜メロディの絡ませ方が抜群のセンス。疾走パートもかっこいいしいうことなしでベスト入り!

  • Shed The Skin 『Harrowing Faith』


Harrowing Faith | SHED THE SKIN
アメリカ産デスメタルの1stフル。ドラムがINCANTATIONだったり、その他メンツもツワモノばかりで構成されたバンド。INCANTATIONのデモ買ったときにはるまげ堂さんでついで買いしたんだけどこれが当たった。ガテラルヴォイスと絶叫系のデュアルボーカルスタイル。ブラストビートやギターリフ、メロディととても安心してきていられる抜群の安定感。ギターもかなりザクザクしていてサウンド的にはデスラッシュなんだと思う。それとカーカスの3rdやカーカス影響化のExhumed『Anatomy Is Destiny』あたりの影響化も根深いんじゃないかなあとか感じる。ただもう少し楽曲減らすか、4分くらいある曲を2分程度に抑えるとかしてほしいなと思ったりも。今後も音源は追っていきたいなと思った。

  • ASYLUM 『A WAKE IN A REVISITED WORLD』

AWAKE IN A REVISITED WORLD(アウェイク・イン・ア・リヴィジテッド・ワールド)

AWAKE IN A REVISITED WORLD(アウェイク・イン・ア・リヴィジテッド・ワールド)

アラサイムの24年ぶりフルアルバム。パンクであり、プログレッシヴロックである。なんといってもGazelleの儚げなボーカルスタイル。どこかV系ロックとの親和感をホクホクと感じてしまう。昨年再発された『Crystal Days』から聞き出した完全なる後追い勢なんですが、この90年代V系に影響を与えただろうサウンドに見事に打ちのめされて、こんなかっこいいバンドを聴かずに生きてきてしまったことを悔いたくらいなもんだったりします。新譜も最高なんて言葉で簡単に終わらせてしまいたくないのですが、僕が語りうる言葉が何もないというか、聴いていて自然と涙がこぼれ落ちるというか、涙腺決壊系ソングが目白押しです。うーんほんとにかっこいい。


まとめると↓(上と順序めちゃくちゃですが)

  • sekien 『sekien』
  • Sarabante 『Poisonous Legacy』
  • SECOND TO NONE 『Bab-Ilu』
  • ETERNAL ELYSIUM 『RESONANCE OF SHADOWS』
  • Anaal Nathrakh 『The Whole of the Law』
  • Oathbreaker 『Rheia』
  • Shut your mouth 『Phoenix
  • ASYLUM 『A WAKE IN A REVISITED WORLD』
  • VERTRAFT 『BSSJHC Conf.01』
  • friendship 『EP2』
  • INFERNAL CURSE 『APOCALIPSIS』
  • GOD'S AMERICA 『Merge With The Infinite』
  • SEX PRISONER 『Tannhauser Gate』
  • MORIBUND PUNISHMENT 『Killer Dynamite』
  • Splitknuckle 『Ignorance Breeds』
  • Shed The Skin 『Harrowing Faith』

来年はあまり知見のないニュースクールどころと、妙にオールドスクールデスメタルが恋しいので2本柱でガツガツ漁っていきたいですなあ。パワーヴァイオレンスは継続して。後抜けたのは次点として以下です。来年もよろしくおなしゃす(音楽ネタ以外は今年まだ書くんですが)。

次点

  • WEEKEND NACHOS 『APOLOGY』
  • Abigail 『The Final Damnation』
  • Teitanblood 『Accursed Skin』
  • funeral moth 『transience』
  • Sunday Bloody Sunday 『Sunday Bloody Sunday』
  • VVORLD 『BABYLON HAZE』
  • Self Deconstruction 『Wounds』
  • ANCHOR 『深層』
  • SICK/TIRED//SEA OF SHIT 『split 12"』