『ミッドナイト・イン・パリ』 ウディ・アレン 2011年 94分 ※ネタバレ有り

やんわり、クスクスと微笑むコメディ映画

［あらすじ］
ギル（オーウェン・ウィルソン）は婚約者（レイチェル・マクアダムス）と共に、彼女の両親の出張に便乗してパリを訪れる。彼はハリウッドで売れっ子脚本家として成功していたが、作家への夢も捨て切れずにいた。ロマンチストのギルは、あこがれの作家ヘミングウェイや画家のピカソらが暮らした1920年代の黄金期のパリに郷愁を抱いており……。

［感想］
　ミッドランドシネマスクエアにて鑑賞。ウディ・アレン監督とのこともあり、年齢層はぐっと高めでした。そこそこの期待値をもちつつの鑑賞でしたが、とても面白かったです。
主人公ギルを演じるのは、オーウェン・ウィルソン、この役は、懐古主義、ミーハー、と学校のどのクラスにも一人います的なパリに憧れる米国人です。脚本家としては、売れっ子なんだけどヘミングウェイやフィッツジェラルドなどなどの小説家に憧れてしまって、小説を書くんですけど中々人の忠告を聞けないって人です。「パリは雨が一番さ」なんて臭い台詞をはくんですけど、周りからみると馬鹿じゃないの？って思われてるんですねー。（いいキャラだと思います）
　ギルの婚約者はレイチェル・マクアダムズが演ずるイネズという、知識人に憧れを抱くミーハーな、典型的安っぽい女です。安っぽいんだけど、一番現実的というか、危ない橋をわたらず長生きしそうなタイプですね。懐古主義、現実主義と、まるっきり思想が違う二人が何故ここまで破局しなかったは、ちょっと不思議な気もしないでもないですが、結構ギルはお金があったんだと思います。結局金です。
　そして、憧ればかり追っかけているギルは、そのうち1920年代のパリへタイムスリップしてしまいます。そこから、フィッツジェラルドやヘミングウェイ、ダリだったり憧れの人物に会い、自分の小説を観てもらったりします。そのうち、マリオン・コティアール演じるアドリアナに惹かれてしまって更にタイムスリップをしてしまいます。そこはアドリアナが憧れていた時代であり、目をキラキラさせて私ここに残るわ！と最終的には残ってしまいます。そこでやっとギルは、いつどんな時代でも懐古主義の連中が、昔は良かったという台詞を聞いて、ハッと気づくんですね。過去から学ぶ事はあっても、過去ばかり振り返ってたら駄目だと。恋をしていたアドリアナと別れても現代に戻る事を決意し、現代に戻ります。そこで、レコードを売ってくれた価値観の合う女の子に惹かれ、雨の中パリを歩いて帰って行くのです。
　過去の偉大な芸術家達がたくさん出てきますが、一般的に有名な人ばかり出てくるので、人物知らないとかは気にしないで、観にいけると思います。やんわりした時間がすごせるいい映画でした。

評価点：61点