根性でぶっ飛ばせ!『ViVid Strike』 #11「撃ち抜く一撃(ストライク)」感想

9話から始まったフーカvsリンネの闘いにとうとう決着がついた。『ビビスト』ほんっとにフーカとリンネの物語なんだなと思えた決着。しかしなぜリンネはフーカに負けてしまったのでしょうか。フーカは一度リンネに喧嘩で負けている。あれだけ鍛え抜かれたリンネを見れば、その経験の差でフーカが勝つと思うのが当然であろうと思っている人も多いのではないだろうか。

ビビストでの戦闘を見ていると一貫していることがある。それは意志の強いものが勝つということ。フーカがリンネに喧嘩で負けていることについて、直接描写はなかったが、これはリンネが変わってしまった理由を知らずに戦ったので負けた。といったことだと思う。それとヴィヴィオvsリンネ戦では前半ヴィヴィオにおされていたリンネが逆転の連打を決めるが、ヴィヴィオが『リリカルなのはシリーズ』とのクロスオーバーを見せつけて勝つといった展開を見せる。7話でヴィヴィオが「きっと格闘技が好きじゃないですよね」と聞くところがミソだろう。



そして今回のフーカvsリンネ戦。闘いの果て身体に入っていた変な力が抜け、まさしく「撃ち抜く一撃(ストライク)」(アッパー)を放つリンネ。安全設計の限界を超えて歯が抜けボロボロになるフーカ。しかし、立ち上がる。

リンネの目が昔に戻ったことに満足したフーカ「やっと綺麗な目に戻ってくれたの……」からの師匠から引き継いだ必殺技「覇王断空拳」によって、リンネが倒れ終了。フーカがリンネに勝てたのは「リンネを元に戻したい」という強い意志からだろう。リンネはヴィヴィオに二度負け、絶望に堕ちてしまってから幼馴染と闘わなければならなかった背景を考えるとベストポジション(精神的な意味で)ではなかった。だから9話〜11話で繰り広げられた闘いは「精神vs精神」だったのだ。逆にフーカはリンネとの戦いでなければあそこまで強くなかったのでは?と思える節もある(それはアインハルト戦でわかるでしょうが)


この試合では土砂降りになったり晴れたりするけど、まるであの二人の闘いの最中は時が止まったように精神時間になっているんだよね。一体どのくらい時間が経っていたの?と。もうね、「精神と時の部屋」かよと。それと精神いわゆる根性論的なのは、戦闘描写(アクション)でもそうだった。1話がリミテッドアニメの旨味を凝縮した素早いアクションで時間圧縮。8話のヴィヴィオ戦は『はじめの一歩』と『リリカルなのはシリーズ』をクロスオーバーさせ、キャラクター(デンプシーロールのシーン)の運動的な(作画的なとも)快楽も押し出していた。でも9話〜11話は一撃一撃の重みで構成されていた。作画的な運動快楽や、カッティングの積み重ねではなく、回想を用いることでドラマ(物語)の持つ重みをアクションに転じていた。

あと1話で完結ですが、アインハルトvsフーカ戦ちゃんとやるのかな〜。師弟対決燃えるからぜひガチでやってほしい。