2015年上半期に見た新作映画ベスト10
今年も早いもので半年が経ってしまいました。例によって、映画とアニメを見て音楽を聴いてって生活で、しばらく純粋な旅行に行っていないし、各地の美味いものを食べてお酒でも飲みたい所存であります。ということで、これも例によって15年に見た新作映画ベスト10の発表です。今年は49本でした。これもいつもと大して変わりませんね。順位発表と雑感です↓
1.ブラックハット
2.神々のたそがれ
3.味園ユニバース
4.龍三と七人の子分たち
5.ラン・オールナイト
6.ラブバトル
7.ドラフト・デイ
8.ジェサベル
9.スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo!
10.テラスハウス クロージング・ドア
1『.ブラックハット』マイケル・マン
今年のナンバーワン!そして、テン年代を考えても今のところナンバーワンなんじゃないだろうか。それに、『ヒート』を超えるってのはこういうものなんじゃないか…。なんといっても、海に続く水路やコンテナでの銃撃戦の音、そして、ロケットランチャーの衝撃。最後は肉体的な運動、なんといっても顔。あと、タンウェイ最高!
2.『神々のたそがれ』アレクセイ・ゲルマン
今年のなかで映画における「運動」を考えると一番すごかったんじゃないだろうか。おっさんたちが終始ごちゃごちゃ動きまくり、ときよりカメラに茶々を入れてくる。神様密着ドキュメンタリー!今年一番エンタメに振り切っていたんじゃないかな!大傑作!
神様密着ドキュメンタリー「ああ、神様はつらい」/アレクセイ・ゲルマン『神々のたそがれ』を見た。 - つぶやきの延長線上
3.『味園ユニバース』山下敦弘
バットで殴って記憶を消そうとする無茶苦茶な二階堂ふみだけど「映画だ!」って感覚がすごかった。唐突でよくわからない言われる屋上のシーンも、二階堂ふみがPAをやっていることから明確、彼女が映画をコントロールできるし、観客にも演者にもなれるから。
映画が見たけりゃバットで殴れ!『味園ユニバース』 - つぶやきの延長線上
4.『龍三と七人の子分たち』北野武
これまた心地よい映画だった。今年で一番力の抜けた作品。たぶん、時間もかけずにさらっと撮っているな〜と思うのに、画面はキマっている。少し長いな〜って感じるんだけど、『狂った野獣』っぽいバスシーンとかもよかったし、「すごい」というか好きな作品。
5.『ラン・オールナイト』ジャウマ・コレット=セラ
ウォルター・ヒルの『ザ・ドライバー』を想起するような夜の街映画。それをグーグルマップのような最新技術を使用し、映画を盛り上げる。NYの街を横に移動し、マンションを縦に使い、最後のレーザーポインターとか、場所的な扱いが非常にうまい。大傑作だったと思います。
6.『ラブバトル』ジャック・ドワイヨン
日本での公開がなかなか恵まれないドワイヨン監督の最新作。「今年の生脚ベスト!」とツイッターで思わずつぶやいてしまったのだけど、脚の撮り方がすごくエロい。白い美脚にひたすら酔える。運動・爆発力の映画じゃないだろうか。最高だった。
7.『ドラフト・デイ』アイヴァン・ライトマン
素晴らしきアメリカ映画を見た!って大興奮。アメフトやっているところ撮らないのに、ドラフトの光景だけで面白い。ドラフトも知恵と戦術が入り混じる「試合」なんだなと。早く再見したい!
8.『ジェサベル』ケヴィン・グルタート
俺の好きなもん全部入っている枠(笑)『チェンジリング』あたりを彷彿させる。ホラーからオカルト、ミステリーに肉弾戦。悲運な主人公には情が湧くが、しかしラストカットはあまりにもかっこよすぎる。最高。
9.『スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo!』ポール・ティビット
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』がイカれた世界を作り込んだとしたら、別にイカれた世界を目指していないけど、葉っぱやってニュートラルにイカれた世界に落ち着いたのがこの映画だと思う。エクスタシーオブゴールドの使い方の雑さに思わず笑った。今年の気が狂った映画ベスト!
10.『テラスハウス クロージング・ドア』前田真人
最後、観覧車をバックにした告白シーン。奇跡を目撃しているような気持ちになった。あの二分間が今年で一番映画だなと感じた。次点を抑えて、これだけはどうしても滑り込ませたかった作品です。
『テラスハウス クロージング・ドア』実況を失って得た虚構について - つぶやきの延長線上
◼次点:『サンドラの週末』、『国際市場で逢いましょう』、『花とアリス殺人事件』
『サンドラの週末』柱、光と影、扉、柵、子供、部屋、机、ガラスと様々なものを使った二者を隔てる障壁の構図が見事!ダルデンヌ兄弟はあまり物語に惹かれないんだけど、この演出はすごい。
『国際市場で逢いましょう』これほど泣けるのかと。『ウテナ』やそれをオマージュした『まどマギ叛逆』の「手」。そして、記憶の物語。こんなの反則かよと。
『花とアリス殺人事件』観客の記憶が映画に結びついて、おセンチな気分を堪能しました。
私たちの記憶に結びつく「懐かしい」映画 『花とアリス殺人事件』 - つぶやきの延長線上
◼ノレなかった映画:『ザ・トライブ』、『フォックスキャッチャー』、『薄氷の殺人』
『ザ・トライブ』は観察だけに重きを置いたのが僕は苦手。究極の客観はなんじゃらとか…
声がなくても”やかましい”映画『ザ・トライブ』 - つぶやきの延長線上
『フォックスキャッチャー』ひたすら退屈って感じてしまった。精神と肉体の話で、ショットも悪くないんだけど、雰囲気止まりというか、なんだろうね…。
『薄氷の殺人』悪くないシーンは結構ある。傘が突然開くシーンとか、最初あたりにある銃のシーンとか。(あんま覚えていない)夫捕まえるシーンや最後のクレーンのシーンはノレず。花火で終わってグイ・ルンメイの顔で撮って終わりでよかったのでは。
◼その他:『海街diary』
『海街diary』というか、「広瀬すず」。100年程度の映画の歴史に「広瀬すず」が現れた瞬間に立ち会ったかのような感動があった。決定的な瞬間を目撃したと。映画自体はそこまで響かなかったんだけど、「広瀬すず」に100億点って感じでしょうか。
◼まとめ
DVD鑑賞合わせて49本でした。今年は力技みたいな映画が多かった気がします。というか僕がそういう映画が好きなだけでしょうか。『ブラックハット』『ラン・オールナイト』とか。ベスト以外では、ワイズマンの『ナショナルギャラリー』は始まった瞬間寝落ちしてしまった…ので、DVD化されたら再鑑賞する予定です。『アメリカン・スナイパー』もけっこう好きですが、イーストウッドと考えるとちょっと下の方か…。『超コワすぎ』を早く見たいですね。ニコニコで金取られるのもなあ…って感じだったのでDVD待ち。『百日紅』もよかったし、『ワイスピ』もシリーズをなんとか全て見て鑑賞したら泣いたしまった。レフンっぽさを感じて『ロスト・リバー』は見るの迷ったけど、以外と悪くなかった。あと、ひゃっはーー!!案件の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、面白かったんですけど、テンション上がらなかった。でも、海上アクションみたいなシーン、『周遊する蒸気船』的なラスト、ラピュタ的な砂嵐突入と、映画史なぞってる感じしてよかったですね。
下期は『バケモノの子』ですね。『時かけ』〜は苦手だったんですが、『おおかみ』は結構好きだったので、最後の希望をかけて細田を…。それと黒沢清の新作。ペドロ・コスタの新作は上映するんでしょうか。また日本映画なら『ローリング』と『ザ・コクピット』が楽しみ!またいい映画観れるといいな〜。