『サイコパス2』3話 ー 朱、シビュラ、カムイの交わらない世界

サイコパス2』3話も面白かった。サイコパス2の世界は、シビュラの世界で生きる人たちと、シビュラの世界の裏側を知ってしまった監視官・常守朱がその世界で自分の正義を信じる世界。

今回の3話では、その二つの世界に割って入る世界をクリアにしようとする犯人の世界が入り交じる象徴的な回だった。


朱の後輩である霜月監視官は、彼女自身最年少の監視官であることからエリート勢に見られるが、彼女は完全にシビュラ内で生きているただの人々。エリートだが、普通な人でもあるように、朱と潜在犯である雑賀の会話には入れず、気分が悪くなり辞退することになる。強力な潜在犯と一緒にいると、自分の色相も濁ってしまうという自衛でもあったが、生理的な気持ち悪さを感じた方が強いだろう。これが普通の人の行動。

それと、色相が悪化した人を捕まえたときの

「これが正しいありかたなのに」


彼女が完全にシュビラの世界で生きていると言える発言があった。ただ、同時にシビュラシステム上ありえない行動をとる朱を黙認及び特別扱いする局長への疑念が湧いた瞬間でもある。そしてその後に、カムイなら…(公式によると「鹿矛囲」)色相をクリアに出来ると狂ったように泣き叫ぶ潜在犯のカット。彼女の疑念がより一層深まるカットであった。

また、同じくシビュラの世界で生きる公安ニ課の監視官・青柳は失踪した監視官からの連絡により、指定された場所に行き、従業員の首を絞める潜在犯と思われる犯人にドミネーターを向けるが、色相はクリアなまま。そして、逆に馬乗りにされ殴られてしまう。彼女は過去に執行官が逃亡したさいに、自分で殺してしまったことについて囚われており、それでも尚、この世界で生きる人物。

シビュラシステムが本当であり、完全に機能している世界ではドミネーター以外の武器は必要がない。それ故に、不測の事態に陥ったときの判断は鈍る上、体術で勝る者には勝てないという制約。シビュラが完全に正しければ、起こる筈のないこと。第一話に続き、シビュラの世界が「正しくない」または「壊れていく」ような重要なシーンだった。

冒頭書いたようにサイコパス2では、シビュラシステムで生きる人々、シビュラシステムの裏側を知ってしまった人の世界の話。そして3話では、そこに、シビュラの世界をクリアにしようとするカムイの3つの世界が入り交じる象徴的な回であったことがわかる。この3方が一つに重なったとき、何が起きるか?そんなことをサイコパス2ではやってくれそうなので楽しみだ。以上