猿と人に違いはあるの?『猿の惑星:新世紀(ライジング)』※ネタバレあり
あまり前作『猿の惑星:創世記』を覚えていなかったんですが、見た人の満足度が高かったので『猿の惑星:新世紀』見てきましたー。
まず、本作は『猿の惑星:創世記』から何年か経った世界の物語。冒頭、TVのニュース映像を連想させる手法で、猿ウイルスが蔓延し世界の人口が90%削減されてしまったことを観客は知る。ただ、人類と猿はお互いに、今も尚生きていることは知らず(多少の意識はあるかも)、ある日互いの存在を認識する。「こんなに近くにいたのか」と。
そこから、緊張感溢れる種族同士の対立構造が始まる訳ですが、本作はドラマの掘り下げ方がとても上手い。猿のシーザー、人間のマルコム。二人にはどちらにも守りたい家族があり、守りたい場所がある。試行錯誤しながら、お互い少しずつ歩み寄って信頼していくのだが、集団生活に置いて全てが指導者(マルコムは指導者じゃないですけど)の思い通りに行く筈もなく、人間・猿どちらにも一人いる反乱因子。その二人によって戦争が勃発してしまう。
人間は猿を憎み、猿は自分を実験に使った人間への恨み。その二人のシーンは張りつめた緊張感が伝わり、何をしでかすのやらワクワクしてしまった。ただ、問題なのは戦争を行うにも大義名分が必要。そこで考えた演出が、”指導者の死”。シーザーが反乱因子コバに撃たれ、銃を高々と掲げ「人間に殺された」と、いうように人間へ憎しみを向ける。まあ、よくありそうな演出なので既視感はあるが、シーザーのみがその真実を知る。コバのみがその悪事を握っている。という構造がなかなか良かったですね。大義名分に自国のリーダーを殺すというのは、最近だと映画じゃないけど『アルドノア・ゼロ』の1話のアレと同じ使い方ですね。
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結局、猿はそれをきっかけに敵地へ攻め込むってなるのだけど、その抗争シーンが最高。猿は馬に乗りながら、片手マシンガンで突っ込むし、大砲はぶち込むわ、戦車で360℃パンやるわ、やりたい放題。また、人間が住んでいる建物も、ディストピアSF感溢れるビジュアルで良かった。なんといっても竿が窓から外に向かってさされている中国式の干し方をしていて、未来を想像すると「ブレラン」じゃないけど、やっぱり、中国・アジアの街並を想像するのかねえ。
また、最初に守りたい家族・場所があると書きましたが、本作は「猿の惑星」の前日譚ながら家族の話でもある。それは、シーザーの長男の抱く”人間と仲良くするシーザーへ不信感”がドラマのキーになっている。弟が生まれたばかりというのもあるが、思春期には、親の言うことをまともに聞くことができず、簡単に悪い人にだまされるということはよくある。(まあ、この場合は猿や)ただ、進むにつれ深まるコバへの不信感が大きくなり、シーザーとの再会で、病み上がりの父と一緒にコバと戦うことを決意する。人間との抗争になってしまったが、シーザーはあるビデオを発見し、人と猿の関係を思い出す…(これが本当に良いシーンでね)
そこから、父と子、そしてマルコム(人間)の総力戦で、互いに信じ合い猿は猿と、人は人との同族同士での戦いが繰り広げられる。結局、言いたかったことは「人も猿も根本を辿れば一緒」ということ。指導者のドレイファス(ゲイリー・オールドマン)は人を信じられなかった。まあ、別種族と仲良くしていれば、多少なりとも「こいつ何考えているんだ」という疑問は湧くし、あの場だけを考えれば指導者としての責任は果たせていたのかもしれない。最後にシーザーがコバを「お前は猿ではない」と落とすのは、まさに「猿だ、殺せ!人だ、殺せ!」を超えた瞬間であり、シーザーはあのときネクストステージへ進んだのである。
総括すると、戦車による360℃パンとか、猿が馬に乗って炎を飛んだり、片手マシンガンぶっ放したり、猿の空中移動とアクションだけでもかなりノレた。それに、重厚なドラマ、張りつめた緊張感、人と人、人から猿、猿から人へっていう、他者と他者との繋ぎ、これは泣いちゃうんですよね。『グランド・ブダペスト・ホテル』も『フライト・ゲーム』もジャンルは違えど、同じようなことを言っているんですね。猿だけど、人情味があって最高でした。ちょーオススメ!
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