最近見た映画のごった煮

最近見た新旧作映画で、なかなか一つの記事にするのもなあ〜(書けないな)という作品を簡単にアーーップします。

『悪の法則』

賛否両論だったけど、個人的には好きな部類に入りました。簡単に言うと、境界線を越える話。法律家は出てくるけれど、警察は出てこないように正義に対する悪という映画ではない。悪は日常茶飯事近くに存在するもので、一旦足を踏み入れてしまうと逃げられなくなってしまう。キャメロンディアスと車とのSEXシーンの話を聞くっていう、よくわからない話も「一度聞いたら聞かなかった事には出来ない」という演出を意図している。所々、かっこいいレイアウトが炸裂していたり、なかなか面白かったです。


天国の門

製作会社が破産に追い込まれたという変な意味で伝説に残っている作品。オリジナルの時間では長過ぎるということで、149分に縮めて公開されたとの事。前々からスクリーンで見たかったので今回のディレクターズカットのデジタルリマスターは楽しみだった。(@シネマテーク)オープニングの露出オーバー気味の美しい光のなか、映画の中へ没入してしまった。馬が走るロングから手前に煙をオーバーラップさせたり、砂埃が舞い散る中の銃撃戦はインパクトがあって凄かった。ただ、やっぱり長い。エピソードそのものが長いというより、切るべきところで切ってないというか、1シーンが長いので、すごくゆっくり進行しているように感じた。ただ、映画史に残る問題作と言われる作品を劇場で見れた事には感謝したし、傑作だと思いました。149分版も見てみたいですね。


罪と罰 白夜のラスコーリニコフ

TSUTAYA大感謝のカウリスマキBOXの発掘化。これまでカウリスマキは5作品くらいしか見た事なかったけど、これでたくさん見れる。みんな見ましょう。『罪と罰』は長編デビュー作らしいけど、すでにカウリスマキそのもの。1カット目の虫を殺すシーン。路面電車と地面の濡れ具合などなど、挙げればキリがないのだけど、素晴らしい作品。カウリスマキの映画は短いので遅く帰った平日とかにちょこちょこ見ていこうと思います。


ラルジャン

ラルジャン [DVD]

ラルジャン [DVD]

前々から買おう買おうと思ってた作品。BSとかでもやってたらしいけど、結局DVDを購入する事に。これは、ブレッソンの中でもベストの部類に入る大傑作だった。限りなく説明的な会話は排除し、表情からも役者(ブレッソンはモデルと呼ぶ)が読み取れない作りにしている。(でも『湖のランスロ』とかと比べるとそれでも会話は多い方か。)説明描写が少ないため、次のカットに移った時、「ん?どうなった?」と一瞬わからなくなるのだけど、例えばその次のカット、計3カット見て「ああ、あのカットはこの意味だったのか」としっかりとわかるような作りになっている。ラスト付近の犬の動きといい大変素晴らし過ぎる傑作映画。個人的に好きな『スリ』『湖のランスロ』と並ぶ傑作だと思った。甲乙つけがたい。


イースンタン・プロミス』

イースタン・プロミス [DVD]

イースタン・プロミス [DVD]

4〜5年ぶり3回目の再見。Twitterで今年の誕生日にオールタイムベスト発表しようかなとか軽々しく口にしたので、ちょっと昔に見た映画を見直そうと思い再見。やっぱり超ど級の傑作映画。「スパイダー〜」「ヒストリー〜」あたりから顕著になったけど、気持ち悪い事しなくても映画は撮れると確信したのか、カメラにしろ役者にしろ個人的にパーフェクト級な動きをしてる。というか大好き。『コズモポリス』でも顕著でしたけど、物事を対にして表現するのがうまい。「生と死」「人種」「家族」「流産」「河」や店と中と外で、普通の世界と立ち入ってはいけない世界の住人という表現。『スキャナーズ』「ヴィデオドローム』あたりも好きだけど、これまたどちらが好きと言われると…な傑作映画。


『肉』

シネマテークで鑑賞。同日に『天国の門』をみたせいかさっぱり覚えてない(笑)。正直前半はかったるくて寝てしまった。ちょっと意味深なシーンを入れてくるんだけど、それが作品としてプラスαの機能を果たしているかと言うとそうでもなかった気がする。上映時間は短かったけど、長いな〜という印象が否めなかった。最後はビックリしたんだけど、多分事前にチラシ見てたらビックリもしなかったんだろうな(笑)


プリズナーズ

真っ先に想起したのは『ゾディアック』だけども、こちらは一応事件が解決する話。個人的に『ゾディアック』は好きだけど「ドラゴン〜」や「セブン」あたりは結構さっぱりなタイプで、そもそもミステリー映画ってどう楽しめばいいかあまりわからないんですね。まあ、そういった苦手はあるのだけど、この映画は面白かったと思います。ただ、TLであまりにも絶賛過ぎて、正直そこまででは無いだろうという気持ちがある。宗教強いというレビューを見るけど、むしろそこは省いて説明が欲しいところと感じた。シネフィルの説明が欲しい。いや、まあ面白かったのだけど(笑)時間あればまた見ようと思います。



5月終盤は、カサヴェテスとカウリスマキで過ごせるかな〜。あとは、ゴジラおよび特撮系を『GODZILLA』公開前に見直していきたいですね。