トイレだけじゃない人生も一歩前へ『LIFE!』※ネタバレあり

ホビット』が盛大な傑作だったから、今週もリズム崩さないよう引っ越しの合間を縫って『LIFE!』を観てきました。

■あらすじ
雑誌「LIFE」の写真管理部で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、思いを寄せる女性と会話もできない臆病者。唯一の特技は妄想することだった。ある日、「LIFE」表紙に使用する写真のネガが見当たらない気付いたウォルターはカメラマンを捜す旅へ出る。ニューヨークからグリーンランドアイスランド、ヒマラヤへと奇想天外な旅がウォルターの人生を変えていく。(yahoo映画より)

どうやらこの映画は『虹を掴む男』のリメイクらしいです。ただ、前もっての宣伝でリメイクと言っていなかったので、観てなくても全然楽しめると思います。あらすじは上記の通りですが、妄想、空想癖が物語を牽引していきます。例えば、急に駅から飛び降りて「ボーン〜」シリーズ的なアクションシーンを見せると思いきや、エレベーター内で上司と殴り合い壁を突き破って抗戦しだしたり、急に空想シーンが表れるので観ている人は「おっ!?これは何ぞや!?」なんて感想を抱くでしょう。
そんな空想シーンが前半部分をしめていくのでトリッキーな映画かなー?と思いきや、この映画はとても普遍的なことを言っているのです。

まず、主人公であるウォルターは恋人探しのサイトで気に入った女性になかなかウィンク*1ボタンをクリック出来ずにおろおろしています。しかもその女性は、自分の職場の後輩。「LIFE」という大きい雑誌社で働いているので、他の部門の子なんて会話しないのでしょう。そして、実際にその女性を前にしてもなかなか声がかけられない。まあ、僕自身同じ職場でも仕事以外じゃ滅多に声かけないので気持ちはわかります。

その彼が「LIFE」最終号の運命を背負い世界を旅することになるんですが、旅で困難に見舞われ、重要な選択を迫られます。そこで彼は勇気を出して一歩踏み込んでいくことで、自分への自信に変わっていくんですね。それにつれて、空想癖もだんだん少なくなってきます。これは、主人公が「成長」していると丁寧に説明してくれているのでしょう。
それと、注目すべきは、ヒマラヤやアイスランドグリーンランドの絶景でしょうか。結局旅のシーンでの空想はヘリコプターに乗り込むときだけで(だけじゃなかったらごめんなさい)、その後は自らの「成長」を確信するんですね。

冒頭言ったように、とても普遍的なことを伝えたい自己啓発型映画です。去年で言えば、ゼログラとかもその類に入るんじゃないだろうか。
ただ、個人的には正直言ってあまりノレなかったんですよ。根本的にゼログラもそうだけど、普遍的なことを最新映像を駆使して表現するってのが、そもそも苦手な人なのでしょうがないのかな。空想と絶景のバランスも結構いい感覚なんですよね。でも個人的には、もう少し破綻しかねないバランス、どちらかが過剰になるくらいのほうがインパクトが合って好き。*2横の画面使いとかは結構好きだったんだけど、いまいち印象深いカットは残ってないかな〜。

しかしながら、空想と絶景のバランス感や誰にでも勧め易い普遍的なテーマなので、行こうか迷っている方には是非一歩前に飛び出して映画館へ。

虹を掴む男 [DVD]

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ミスター・ノーバディ [DVD]

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*1:ウィンク=FBで言えば「いいね」でしょうね。

*2:ミスター・ノーバディ』とかぶっ飛んでて良かったですね。