これぞ「お、ねだん以上」のお買い物/大友克洋『POSTERS』

「東京のバッキャヤロー!」と地方民は思ったかもしれない。大友克弘の「POSTERS」の展示会が東京であったとのこと…
僕と大友克洋作品の距離感って、映画でも漫画でも「オールタイムベスト1です。」みたいな感じではなくて、わりと客観的に観てると思う。でも、やっぱり絵はすっごいしポスターとか毎回格好良過ぎ!って思ってるし、熱狂的なファンが多いのは納得。個人的には、「AKIRA」よりもオムニバス作品の「MEMORIES」や「迷宮物語」が好きで、「スチームボーイ」もすごく好き。大友克洋の特徴的な「ロボットが制御出来なくなって暴走する」ってのはたまらなくてね。それにロボットだけでなく、人間もそれにつれてノイローゼ的になって次第に狂っちゃうってのがいいですよね。

POSTERS  -OTOMO KATSUHIRO × GRAPHIC DESIGN

POSTERS -OTOMO KATSUHIRO × GRAPHIC DESIGN

まあ、その「東京のバッキャヤロー!」と『POSTERS』の話に戻すと、さすがに『POSTERS』は5000円を超える大物だし、実際サイズもバカでかくて、実物みるまで「買うまいか!!」って思ってたんだけど、丸善さんでサンプルが置いてあって…

「あっ、あかん。。。これ、買わない選択無いわ」と思っているうちにレジに運んでいた。実際に中身を見せられないのが残念ですが、ポスターだけでなく、本、中吊り広告、マーチャンダイズと大友作品のパッケージだらけで終始ヨダレタラタラ。本のレイアウトもかっちょいいし、カバーの裏までしっかりと細工がしてあって職人芸。どのポスターもかっこ良過ぎるわけで、大友克弘がポスターに力を注いでいたのがしっかりと伝わってくるる。単にポスターをカタログ的に掲載しているのではなく、本そのものが一冊の作品となっているのがすごいですねー。それと、本人がこだわっているのが冒頭の台詞でも伝わってくる。

「ポスターをカッコ良くするには絵も上手くならなければならないし、デザインセンスも問われます。映画宣伝部からはもっと判り易くとよく言われます。しかし、ポスターのデザインは文化の啓蒙です。子供達にも上質のものを提供すべきでしょう。子供向けだと言ってキャラクターを並べ、背景に青い敵役を置けばいいってものではない筈です。
映画を観た後は深夜映画館に行ってポスターを剥がしてくるようにならなければいけません。正しくは映画館の人に頼んで頂くに越したことはありませんが…」(「POSTERS」冒頭一部抜粋)

ポスターやマーチャンダイズにこだわる愛が充分に伝わってる最高の作品でした!地方でもポスター展やってほしいなー。