劇場版 『STEINS;GATE シュタインズ・ゲート 負荷領域のデジャヴ』を観ました。※ネタバレあり

[感想]
※あらすじが見つからなかったので、最初にシュタインズ・ゲートについて
元々の原作はゲームですが、私は未見なので2011年に放送されていたTV版からの流れで説明します。
シュタインズゲート(以下、”シュタゲ”と略します)は、タイムパラドックスタイムリープと言われるような物語で、何度も何度も過去をやり直し、大切な人を絶望の淵から救うという話です。
あらすじを言うと、同年にTVシリーズが始まりライトなアニメファンからディープなアニメファンまで楽しめた『魔法少女まどか☆マギカ』のような話に聞こえますね。ただ、シュタゲの面白いところは、単に過去にさかのぼってではなく、もう少し複雑で、過去だけではなく平行した世界が複数存在し、その中から自分が一番正解だと思う”シュタインズ・ゲート世界線”を目指します。
そう言った意味では、まどかマギカ以上に複雑で、何度繰り返してもどこかで綻びが出てしまうという連鎖に絶望しながらのお話なので、内容的にはヘヴィーです。(原作はTV版よりも凄いらしい)

今回の劇場版は、TV版でシュタインズゲート世界線に移動してからのお話です。
TV版では、中二病マッドサイエンティスト 鳳凰院凶真こと、岡部倫太郎が幼なじみの”まゆしぃ”が死んでしまう運命から救おうとタイムリープしていきます。
※ちなみに、まゆしぃの口癖は”トゥットゥルー”←しょこたんが使ってますね。

TV版のラストで岡部倫太郎はシュタインズゲート世界線に行きましたが、過去にタイムリープしたことを覚えており、”観測者”となってしまいました。
これが劇場版では悲劇を生んでしまい、シュタインズゲート世界線に居続けることが出来なくなってしまいます。
(あんまり覚えていませんが、未来からくる鈴羽曰く、色々な世界線の記憶が強烈に焼き付いているから、岡部自体が不安定な存在になっているとのこと)
そして、岡部がいなくなってしまいますが、助手ことクリスが違和感を覚え、鈴羽がヒント(タイムマシンの作り方)を出す事で岡部を思い出し助けにいくというのが、劇場版のお話です。

こういったタイムリープ話を突き詰めていくと、どっかで矛盾が生まれるので、タイムリープものは違和感あってとしても考えて疲れるだけなので適当に流して観ています。
※仕組みとか違和感をしりたかったら、「シュタインズ・ゲート ネタバレ」とかで、検索すると掲示板まとめで考察している人がいるので、気になる方はそちらをご覧ください。


長くなりましたが、率直な感想から言うと、正直面白くなかったです。
TV版があまりにも完璧くらい面白くて、かなり期待してたんですが、惰性で作った感じしかしなくて、こんなお話なんで作ろうとしたのかが何とも言えませんでした。
劇場版では助手が観測者となり、何度か繰り返し岡部をシュタインズゲート世界線に戻します。
僕が面白くないと思ったのが、センチメンタルに走り過ぎていること。
上映時間が限られているってのがネックになりますが、岡部と助手の想いにベクトルを向けていたせいで、TV版のトリップ感が皆無でした。
個人的には、120分超えてもいいから、始めから焼き直しして違うラストを見せてくれた方が面白かったんじゃないかなーって思います。
映画ならではの大画面演出も効果的に使えるし、TV版の成功をまったく頭から除外して制作してほしかったという気持ちでいっぱいです。
とくに、先日公開されたばかりの『花咲くいろは』劇場版は完璧に面白かったし、どうしてここまで差が出たのだろうと。
※奇しくもどちらのアニメも2011年作の2クール

映画はおセンチだけでは作れないよって言いたくなる残念な映画でした。

評価点:37点