『パラノーマン ブライス・ホローの謎』を観ました。※ネタバレあり

[あらすじ]
300年前に魔女狩りが行われていた町、ブライス・ホロー。ノーマンはどこにでもいるホラー映画好きの少年だが、死者と話せる特殊な能力を持っていた。ある日、ノーマンの前に死んだおじさんが現れる。そして、魔女の呪いによって町が滅ぼされる日がすぐそこまで近づいており、それを救うことができるのはノーマンだけだと言われ……。(yahoo映画)

[感想]
恐怖への打ち勝ち方というのは、人によって違うだろうと思う。
個人的な話をすれば、今でこそホラー映画やゾンビ系の映画はどちらかというと好きな部類に入るが、中学生頃までは大嫌いなジャンルでホラー映画一本でも見れば一週間は帰り道の後ろが気になったり、鏡を見るのが怖かったり寝不足気味だった。
それがいつからだろうか、家で一人でホラー映画を観ても後を引く怖さってのを感じなくなってしまったし、それどころか好んで見るスタイルに変わってしまった。
しかしながらいっこうに得意とならないのは絶叫系アトラクション…こちらのほうは、どんなに仲の良い友人に誘われても「死んでもいかない!」と逃避してしまっていた。個人的な見解としては、恐怖への打ち勝ち方というのは、まずはその恐怖やトラウマに真っ正面から向かう必要があるということだ。
『パラノーマン』についても、"FREAK"(変人・変わり者)といじめられる主人公ノーマンだが、じいさんに町を魔女から救えるのは、お前だけだと周りからはいじめられる原因であった自分のウィークポイントであった事を活かし町を必死に救おうとする。

町を襲っていたと思っていたゾンビたちは、過去に自分たちが犯した絶対に許されない罪を贖う為、ノーマンに事実を伝えようとする。
それはノーマンの友達のデブもそうだし、ノーマンを変わり者といわれ自分も身内で弟(ノーマン)が嫌われる原因となりかねないノーマンの姉ちゃんもそうだ。
こういった人とは違うというポイントを皆必死に克服しようとするのだ。
最後の魔女に至っても同様であり、過去迫害されたノーマンと同じく幽霊の見える只の女の子がちょっとした悪戯によって処刑され、呪いをかけゾンビ化させてしまった。そこから魔女伝説がはじまり人々を恐怖のどん底まで落とし込んだのだ。

ノーマンは自分こそ人とは違うといじめられていたが、最後は人々を救う救済者となった。
まさにピンチをチャンスと変えたと言ったストーリーはまったく説教臭くなく心地よく、ストップモーションアニメーションというキャッチーな手法をとられているが、今年観た映画の中でも一番人間に必要なことを教えられた気持ちになった。

評価点:80点