『ゼロ・ダーク・サーティ』を観ました。※ネタバレあり

[あらすじ]
ビンラディンの行方を追うものの、的確な情報を得られずにいる捜索チーム。そこへ、人並み外れた情報収集力と分析力を誇るCIAアナリストのマヤ(ジェシカ・チャスティン)が加わることに。しかし、巨額の予算を投入した捜査は一向に進展せず、世界各国で新たな血が次々と流されていく。そんな中、同僚の一人が自爆テロの犠牲となって命を落としてしまう。それを機に、マヤの中でビンラディン捕獲という職務が狂気じみた執心へと変貌。ついに、彼が身を隠している場所を特定することに成功するが……。(yahoo映画より)

[感想]
9.11と言えば、それは外国で起こったことだったけれど、当時中学生だった僕の記憶には鮮明に焼き付いている。
確かあれは、夏の暑い日で当時外で遊んでいたかで夜に帰ってご飯を食べて、就寝前だった気がするけど、TVの前で飛行機がツインタワーにぶつかっていったのだ。
それは阪神淡路大震災の高速がぽきっと折れている映像よりも、どこかで起きた惨殺事件のニュースよりもショッキングだった。
最初は何が起きているかわからなかったが、冷静になって考えてみると「あ、アメリカが攻撃されているんだ」と理解した。
人はショッキングなことを目の前にして何も考えられなくなる。
ほんの外国の中学生にさえこのような体験になったのだから、当時大人だった人や、アメリカ人の方、あのテロの近くにいた人にはとんでもないことだっただろう。それは考えてもわからないことなのだ。
昨年『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』という映画で、親が巻き込まれた子の話を映画化していたが、家族が事件に巻き込まれたらと考えただけで本当に恐ろしい。(作品そのものは残念な出来でしたが)
その喪失感は想像を絶するものだろう。そして喪失感と言えば、『ゼロ・ダーク・サーティ』でマヤが最後に流した涙の意味はどういうものだろう。安直にあの空っぽの飛行機を見ると、得たものは何も無かったとか、喪失感を連想させる。
もっと単純に考えるとやっと終わった‥‥という達成感からの涙だったかもしれない。推測出来るかもしれないが、それは体験した本人でしかわからないだろう。

僕は観ている間そんな事を考えている暇はなく、パイロットがマヤに対して何処行く?って聞いたことに理解が出来ていなかった。
普通にアメリカに帰るんじゃないの?だからお前呼ばれてんじゃねーの?ってばっかりでしたが、ああ、この部分はフィクションなんじゃないかなと。
もともとは、ビンラディンが捕まる前から作っていたらしいから、きっと、最後のシールズで終わるとマヤの話というよりドンパチ見せたい感が伝わるから、あんな結末にしたんじゃないだろうか。

あと率直な感想として、150分を超える長尺作品ですが殆ど飽きずに見れました。只一番面白くなくなってしまったのは、シールズ作戦のところです。
これはビンラディンが捕まる捕まらない殺す殺さない関係無しに最後までマヤ視点で進むべき作品だと感じたからです。作戦終了後のシールズの雄叫びとか聞きたくありません。あそこはよくあるアメリカが自分をかっこ良く見せる手法です。
逆に拷問シーンなんて世間で問題になるようなものでしたでしょうか。嘘が混じってるだのどうでもいい事を言う人がいますが、映画に真実ばかり追い回してるのなんて馬鹿らしくならないのですかね。
拷問シーンは逆に観やすいくらいと思いましたが‥‥生々しいさは伝わってきたけど。
それと、拷問中にグラインドコアが使われていました。あれっと本当に聴かせてるんですかね。僕だったら喜んじゃうけど。もっと不規則な音か単純にノイズか叫び声とかドゥームメタル聴かせた方がいいじゃないでしょうか。

評価点:71点