『ルビー・スパークス』を観ました。

タイプの音とともに妄想迷路に迷い込んでいく・・・

[あらすじ]
若くして天才作家としてもてはやされたカルヴィン(ポール・ダノ)だったが、今ではひどいスランプに陥ってしまっている。そこで、理想の女の子“ルビー・スパークス”の物語を書くことに。執筆に没頭していたある日、何とカルヴィンの前に自分が空想して作り上げていたルビー(ゾーイ・カザン)が現われ……。(yahoo映画より)

[感想]
世間様で超好評『リトル・ミス・サンシャイン』の監督ジョナサン・デイトンヴァレリー・ファリスの最新作。タイプライターのタイプ音ごとに妄想迷路に迷い込むポップでライトなラブ・コメディ。面白かったですが、なかなか切ない作品でした。

僕的に『リトル・ミス・サンシャイン』は大の苦手作品で、あんまり期待していなかったんですが、監督として一歩ステージへ進んだと言える作品だったんじゃないでしょうか。僕の見方だけの話をしますが、『リトル・ミス・サンシャイン』は、家族物語として他人にどんなに迷惑かけても問題ないんだ!映画なんだから!感が非常に強くて苦手なんです。今回の『ルビー・スパークス』も途中までは同様に全て自分ありきで、ルビーを束縛しコントロールしちゃいますが、きちんとルビー(他人)を主人公と対峙する存在として、反論させています。ルビー以外にも元恋人も出現し、主人公カルヴィンの価値観は違うよ!と反論するのです。
リトル・ミス・サンシャイン』は、家族の内輪だけで完結してしまっていて、それが好きだって人が多いんでしょうけど、僕はどうしても駄目でした。(特にラストの家族がコンテスト出るシーンが‥‥)でも、『ルビー・スパークス』は恋人や元恋人だったとしても対峙する存在を描いていたのが関心しました。

それと、切ないけどライトでポップと言ったのは、女性的感覚がする映画だなーと感じたからで、家に帰って調べてみたら脚本はヒロイン「ルビー」役のゾーイ・カザンが書いているようです。映画観てて若い子かと思ってたんですけど、29歳なんですね。(意外と年上)
主人公カルヴィンのように妄想なのか、それとも彼女の体験談から発せられた作品なのか、今後も作品を追ってみようと思った映画でした。

評価点:65点