『ライク・サムワン・イン・ラブ』を観ました。※ネタバレあり

どこへ向かうのか。ドラマはなく、日常だけ

[あらすじ]
80代の元大学教授のタカシ(奥野匡)は、デートクラブを通して亡き妻に似た明子(高梨臨)を自宅に呼ぶ。しかし、明子は駅で彼女を待っていたはずの祖母のことを気にしていた。翌朝、明子を大学へ送ったタカシを、婚約者ノリアキ(加瀬亮)は彼女の祖父と間違えてしまう。こうして三人が出会ったことにより、物語は予期せぬ方向へと進んでいき……。(yahoo映画より)

[感想]
「この映画は、どこに向かっていくの?」と、稀によくわからないけど、惹き付ける映画があって、この『ライク・サムワン・イン・ラブ』もその類の映画だった。
この前のエントリーで書いた『ジェリー』('02)もそのような魅力があった。後、どこかで、もっとこの映画に似た映画を観たんだけど、どうしても思い出せない‥‥

この映画は、随分妙な映画で、ドラマ性ってのが全く感じられない。画面に映るのは、特に変わった事ない日常だけ。
只、妙な吸引力がある。
導入部の電話シーンで、誰が会話しているのか、画面上を見渡しても本人は見つけられない。男が手前の席に座ったと思ったら”でんでん”だ。(不覚にも笑ってしまった)

タクシーに乗せられ、どこへ連れて行かれるのか?主要陣は兎も角、タクシードライバーも同じような体験をする。
妻に似た女の子と、会話をしたいが、振り回されてばかりのじいさん。「結婚、結婚」と軽々しく言葉を吐くが、只の束縛暴力男の彼氏。
ドラマ性がないと書いたが、話の内容的には、「日常は何がおこるかわからない。」と物語っているように感じられた。

ラストシーンは、突然鳴る電話のように予期せぬ事が起こるのである。

只、ここまで何が起こるかわからないと、大体「ラストシーンは、突然終わる系だろう」と高をくくってしまった。
もう少し、何も考えずに観た方が良い映画だったかもしれない。

評価点:63点