『アタック・ザ・ブロック』を観ました。※ネタばれあり

人は誰でもヒーローになれる。

[あらすじ]
 南ロンドンの公共団地で、不良少年たちが看護師のサム(ジョディ・ウィッテカー)を恐喝していたところ、突如、いん石の落下とともにエイリアンが出現。リーダー格のモーゼズ(ジョン・ボイエガ)らは、エイリアンを殺してしまう。すると、さらに凶暴なエイリアンが次々と飛来。団地を襲撃するエイリアンに、モーゼズは反撃を決意する。

[感想]
 ”人は誰でも‥‥”ってのは、今年公開の『孤島の島』の宣伝文句ですが、本映画のテーマも似ていたような気がします。それはそれとして、『ホットファズ』のエドガーライトが製作とのことで、コメディ色が強い映画かと思っていましたが、思ったよりコメディ要素は抑えめでした。

まず、タイトルのブロックは、日本で言う”団地”を指しています。導入部で、一人の女性が治安の悪い地域を歩いていると、少年ギャングたちに襲われるんですね。その少年と襲われた女性は、ある団地に住んでおり、今回のお話は全てこの団地の一晩の事件を描いています。その団地の少年ギャングが、団地をエイリアンから守るお話です。

ストーリーは、団地という狭い場所のみに縛られていますが、その分、まとまりが出ていたし、子供の頃みたいに団地で鬼ごっこしているみたいで、楽しく観れました。鬼ごっこといっても命がけだが‥‥
それと、登場人物は、黒人が多かったです。だからといって、エイリアン=白人のような安易な比喩にはならず、きちんと白人のメンバーもいます。と言っても、ラストシーンは、団地、悪ガキ、貧困層、黒人の大勝利シーンっぽくは描かれていましたね。
匂わすシーンはその他に、中間あたりで、”「麻薬、銃、そしてエイリアン」白人は、みんな俺たちを‥”みたいな台詞があったり、ちょっとそれっぽく感じさせるシーンはありましたね。あと、音楽はヒップホップを多用したり、ここは本当にロンドン?っていう不思議な感覚に陥りました。

僕が好きだったシーンは、冒頭のエイリアン撲殺シーンからの音楽(ヒップホップ)→少年たち引きからの空ショットタイトルバックシーンです。それまで、どーなんこの映画と思っていましたが、しびれましたね。
それと、細かい演出もきっちりなされていて、少年の一人が橋?から階段に飛び降りるシーンとかは、おお飛んだやんとか思ったし、結構丁寧に作られていたと思います。

 ラストシーンは好き嫌いがありそうですが、パワーのあるラストだったと思います。ちょっと安易な気がしたけど。結局あの子たちは、エイリアンの死体もあがるだろうから、無事保釈されるのかな?看護士のおねーちゃんも彼らじゃないって否定してたしね。
あんまり期待しなければそこそこ面白い映画じゃないでしょうか。でも、わざわざ劇場で観なくてもいいかもしれないなんて言わない。笑

評価点:61点

[作品概要]
作品名 :『アタック・ザ・ブロック
監督  :ジョー・コーニッシュ
製作年 :2011年
製作国 :イギリス
上映時間:88分

[関連作品]
『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(’07):エドガーライト制作のコメディ映画です。ある刑事が、左遷されてど田舎の警察にいくんだけど、その村がなにかおかしい?なんだこの村は?と、戸惑いながら秘密を暴く少々ミステリー要素もある映画です。