『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』を観ました。(DVD)

あらすじ:ストリート・アートについてのドキュメンタリーを制作し始めたロサンゼルス在住のフランス人映像作家ティエリー・グエッタ。ティエリーは覆面アーティスト、バンクシーの存在にたどり着き、取材を始めるが、ティエリーに映像の才能がないことに気付いたバンクシーは、逆にティエリーのドキュメンタリーを自分が監督し始める。(yahoo映画より)

感想:昨年日本公開の覆面芸術家(ストリートアート)のバンクシーが自分のファンの撮影馬鹿ティエリーがストリートアートに感化された様を題材としたドキュメンタリー映画。僕はストリートアートに全く魅力を感じないタイプの人間なんだけど、とても面白かったです。ええ歳こいてる癖に、自分と全く違う才能のある人にどっぷり惹かれてしまうティエリーが何とも微笑ましかった。行動に移すかは別として、誰もが一回は経験する事ですよね。そして結局自分もアートをやりたくなって、バンクシーの言葉をきっかけにMBA(Mr.Brainwash)を立ち上げ、アート(厳密にはアートじゃないだろうな)を求め、いきなり大規模な個展を成功させる。バンクシーは「僕は全ての人間がアーティストになるべきだと思っていた。しかし、今はそうは思っていない」と、ティエリーには才能がないと言ってましたね。僕はストリートアートも他のアートもわからないので、何とも言えないですが、バンクシーの言葉は説得力ありました。結局アートも消費されるものですので、誰の売り込みかたが悪いとかはないでしょうけど、アートでないもがアートとして売れてしまったことによって、アートとして人に認識される。近頃の日本の某アイドルグループや某集英社の超人気バカ売れ漫画にも言えるけど、内容どうあれ売れるってのは凄いことだと思います。やっぱりどっかで、人を魅了する部分があるだろうし、「売れるのはファンが馬鹿だから」と言って思考停止せずに、どうやって売れたかを研究して、参考するべきところはあると思います。道徳的にどうだとかあると思うけどね。まあ「売れる」=「アート」ではないので、売れたからと言ってティエリーが芸術家かと言うと、難癖付けたくなる人はたくさんいるはずです。
結論としては、ストリートアートにどうこう言うつもりはないけど、ミスターブレインウォッシュ自身がバンクシーにブレインウォッシュされたんじゃん!と突っ込みながら、今後のティエリーの行く末がどうなるか楽しみな映画でした。

評価点:73点